空想日誌(1) 空想科学のすすめ

「空想」という単語を辞書で引くと、「現実には無いもの」を見たり想うという意味で、「夢想」と同義と書かれている。ただ、「目には見えないもの」を見たり想うという意味で、同義語として「空見」(仏教用語:くうけん)がある。「空見」は「雲見」と書くこともあるので、三段論法的ではあるが、「空想」=「雲見」となり、まさに気象学の用語となる。そこで、「空を見て想う」ことを書き記すという意味で、「空想日誌」と名付けた。

普通、尊敬や誉め言葉として、見上げる動作を示す擬態語が使われ、逆に、卑しめたり貶める言葉として、見下げる動作を示す擬態語が使われる。天気予報で頻繁に使われる衛星画像やさまざまなデータも、最近では宇宙から地球を見下ろす形で表示する。そのため、知らず知らずのうちに、世界を矮小化しているように思えてならない。

以下は、ルイ・アームストロングの「What a wonderful world」の歌詞の一部である。

I see skies of blue and clouds of white,
The bright blessed day, the dark say goodnight,
And I think to myself, what a wonderful world.
The colours of the rainbow, so pretty in the sky

空は広く、地球は広い。ぜひ空を見上げておもいっきり空想科学を楽しんで欲しい。

次回は「空、宙、天」と「雲」の予定です。

2011年1月19日