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秋季特別入試(10-11月)について

2013年より始まった修士課程の秋季特別入試について説明します。他の入試についてはこちらを参照してください。

なお,2020年は11月18日が試験日. 出願期間は10月12〜23日です.

目次

 趣旨と学生像
 試験科目
 試験の案内
 課題発表試験出題課題文


趣旨と学生像

本入試の趣旨は、既存の入試(8月と2〜3月)に比べより多様な学生を広く求めることです。いわば大学院版のAO入試であり、志望動機等に関する書面と口述試験を重視します。従来の筆記試験だけでは測りにくい能力や経験、意欲などをもとに総合的に判断します。

我々としては、例えば次のような学生を想定しています。なお、いずれの場合も数物系の素養がある程度はあることが前提となります(その点をみるために「基礎学力試験」というもの実施します:下記)。

  • プログラミングやフィールドワーク、機器開発のスキルなど、大気や海洋の研究に役に立つが従来の専門試験では測れない能力・経験をもつ人。
  • 強い研究意欲・学習意欲をもつ人。
  • 科学的な思考力・表現力やパイオニア精神に富む人。
など(この限りではありません。積極的な応募をお待ちします)。

なお、受験にいたるきっかけは、(理工系の様々な分野で)大学院を受験したが結果が思わしくなかったり、就職活動等を通して改めて進路を考え直したといったことでも構いません。このウェブページを開いた人はおそらく、大気や海洋、地球環境に何らかの興味を持つ人でしょう。偶然の出会いや「なにかピンときた」ことがきっかけでも、モチベーションを高められれば良いのです。

本コースには従来より、一旦社会に出た後学び直そうという人も多く入学しています。そのような人の受験も歓迎します。

試験科目

  • 基礎学力試験(1時間30分)
  • 課題発表試験(一人30分)
    • 課題(本コースでは課題図書を読んでくることです)および受験当日に提出する志望動機等に関する書面にもとづく口述試験です。下記参照。

実施時間等については募集要項をご覧ください。

試験の案内

迷った場合は

本専攻の受験機会は複数回あります。迷った場合は最初に行わる秋季試験(8月24,25日)を受験することをお勧めします。なお募集定員は専攻全体で、秋季試験は30名程度、こちらの秋季特別試験は数名〜10名程度です。

受験までのステップ

  • 検討段階
    コースのホームページをみたり研究室訪問してイメージを膨らませることをお勧めします。質問等、気軽にコンタクトしてください。
  • 出願前
    出願書類は郵送で請求するか窓口で直接受け取る必要があります(環境科学院の募集要項ページ参照)。早めに請求しましょう。なお、課題図書送付のため事前連絡をお勧めします。

    事前連絡: 本コースの課題は、課題文(詳しくはこちら)を読んできて、それについて発表することです。出願期間終了から試験日までの期間が短いので、 ess_info@eoas.ees.hokudai.ac.jp 宛に事前に連絡を貰えれば、早めに(準備期間が3週間程度は確保できるように)課題図書を送ります。事前連絡のなかった出願者にも送付しますが、出願期間終了後になります。

  • 出願
    募集要項を良く読んで出願書類をもれなく提出してください。
  • 出願後から受験まで
    課題発表試験の準備:

    • 送付された課題図書を読み発表の準備をする。 こちらを参照してください。
    • 志望動機等に関する書面の作成。 志望動機についてA4用紙1ページ以内で書いてきてください。自己アピール(例えば大気や海洋の研究を進めるにあたって役に立つと考えられる自身の経験や能力について)を含めて構いません。

  • 受験当日
    午前中に基礎学力試験(筆記)、午後に課題発表試験を実施します。発表にプロジェクターを使う場合は、準備を忘れないようにしましょう(「発表の仕方」参照)。

英文の課題文とそれにもとづく発表について

事前連絡があれば試験日の3週間前をめどに、事前連絡がなかった場合は受験票とともに、課題発表試験用に英語で書かれた解説記事等(数物系の学術誌に掲載された記事や本・教科書などの一部など長さ数ページ程度のもの)を課題文として一編送付します。学術誌は主に発見等を報じる原著論文を掲載しますが、「解説記事」はそれと異なり、文字通り解説を行う記事です。その内容は、特定のテーマについての最新動向のリポートや、初学者または研究者向けの解説などです(課題に選ぶのは専門家向けではないものにする予定です)。同様に、英語で書かれた本の一部を使う場合もあります。

発表と質疑応答を通して我々がみたいのは、科学的な内容を大づかみに把握してわかりやすく表現する力です。英語の試験も兼ねています。

課題文の例

どのような課題文が出題されるか一例をあげます:

"Power and spin in the beautiful game", J.E. Goff 著, Physics Today 誌, 2010年, 第63巻, 7号, p.62-63. (doi: 10.1063/1.3463636)

この記事はサッカーのワールドカップ開催に寄せ、フリーキックなどを題材に、ボールの軌道を決める空気抵抗の大きさや向きを、物理学の観点から一般的に解き明かしたものです。ボールの速さがある一定値よりも遅くなると急に空気抵抗が増す drag crisis という現象があること、それがボールの表面にできる境界層という薄い層のでき方の変化によること、レイノルズ数という無次元の指標を使うとその一定値がほぼボール表面の凹凸のみに帰着できること、ボールの回転によってカーブさせる力の働き方などが、短い2ページの記事で次々と紹介されます。現象を統一的に語る物理学的な観点から特に力を入れて紹介されているのは、無次元化の威力です。それによって、大きさの違うゴルフボールとサッカーボールが直接比較でき、表面が粗い(凹凸が多い)ほど drag crisis が起きにくい(比較的低速まで抵抗係数が小さく保たれる)ことが視覚的に示されます(Fig.1)。さらに、本文中に挙げられている数値から思いをめぐらせば、なぜゴルフボールにはあれだけの凹凸が必要であるかもわかるはずです。サッカーワールドカップの公式球の測定結果の話などもあります。

発表の仕方

10分間で課題文の概要を説明してください。なるべく内容を咀嚼してわかりやすく説明することを心がけてください。課題文全体を万遍なく説明する必要はありません。全体をある程度把握していることは求められますが、興味をもったところについてより深く噛み砕いて説明するなど、軽重を付けたり再構成して発表すると良いでしょう。自分なりの考察を付け加えても構いません。その後約10分間質疑応答を行います。なお、内容をすべて把握することは求めません(それは難しいケースが多いでしょう)。わからないことはわからないと言って構いません。

発表にはプロジェクターが利用できます。利用希望者はノートPCを持参するか、発表用のファイルを収めたUSBメモリーを持参してください。会場にはPowerpointとPDFが利用できるWindowsのノートPCを用意します。他に、ホワイトボードも利用できます。

志望動機等に関する書面に基づく質疑応答について

約10分間で行います。書面は基礎学力試験開始時に提出してもらいます。それをもとに質疑を行いますので、発表の準備は必要ありません。なお、口述試験では先に英語で書かれた課題文にもとづく発表と質疑応答を行い、次に志望動機等に関する書面に基づく質疑応答を行います。

課題発表試験の課題文

以下は出題された課題文の電子版へのリンクです(オープンアクセスの場合). オープンアクセスでない場合は書誌情報を示します.

入学年度 試験実施時期 リンク/書誌情報
2021年度 2020年11月 J. N. Shive and R. L. Weber, "Similarities in Physics", 1982, CRC PRess (書籍), pp 25-29. (抜粋)
2020年度 2019年11月 課題文 (Physics Today 誌)
2019年度 2018年10月 課題文 (Physics Today 誌) (オープンアクセスではありません. 大学等の電子ジャーナルアクセスを通して読めない場合はご連絡ください).
2018年度 2017年10月 課題文 (Physics Today 誌).
2017年度 2016年10月 課題文 (Physics Today 誌)
2016年度 2015年10月 Physics Today, vol.65, issue 3, p.66-67 (2012) [著者サイトでの公開PDF]
2015年度 2014年10月 課題文 (Physics Today 誌)