気象や気候に関心のあるメンバーを募集しています

 研究室のメンバーは、学部時代に気象学を学んだ人、子供のころから天気に興味があり大学院進学を機に気象学を志した人など、様々なきっかけで当研究室を訪れています 。経験の有無にかかわらず、気象学や天気予報、地球温暖化や気候変動に関心のある方は、一緒に研究にチャレンジしてみませんか。修士課程の2年間でも真剣に取り組めば、学術的に価値のある研究を行うことが可能です。



受験について,専攻の特色について

 気象学で対象とする研究テーマは様々です。当研究室では2つの入口(専攻)で学生を受け入れています。下の説明をよく読んで、大学院環境科学院の中から自分の「得意分野」や「動機」、「理想とする将来像」と一致する専攻を受験して下さい。
 なお、本研究室では学部生の指導は行っていません。つまり、所属メンバーはすべて修士1年または博士1年から本研究室へ飛び込んで来た人達です。これまでの実績によると、卒論等で気象学を研究した経験のある学生はおよそ2・3割で、それ以外の学生は大学院入学を機に気象学を学び始め2年間で修士論文を執筆しています。

 環境起学専攻では、修士1年の4月から研究室に配属され研究をスタートすることができます(当研究室を希望することが確定している方にはこちらをお勧めします)。

 地球圏科学専攻では、修士1年の前期に基礎的な講義・演習を受けたうえで、7月頃に指導教員が決まります(当研究室では各学年1-2名を上限にしています。詳しくはこちらを読んでください)。
2つの専攻はこんな↓イメージ(クリックで拡大)

 週1回のゼミやコンパ等の活動は専攻に関わらず研究室メンバー全員で行っています。どちらの専攻に所属していても、愛情を込めて平等に厳しく指導します。研究室訪問は随時受け付けていますので、詳しい説明を聞きたい方は、気軽に・早めにご相談下さい。メール等での相談も歓迎します。
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具体的な研究例について

環境起学専攻 人間・生態システムコース(8月,10月,2月入試)

研究できる内容: 日本を含む世界各地の気象,異常気象や気候変動,気象や気候情報を使った応用と社会実装
気象災害など社会的なインパクトの大きな現象に関する気象学
気象と周辺分野(河川、生態系、雪氷、農業、土地利用、物流・経済など)との境界領域研究。生き物に関係した研究(例えば、このようなイメージや虫などに関連した気象)にも着手したいと考えています。
地球温暖化予測や影響評価に関する研究
再生可能エネルギー(風力、太陽光)や電力需要と気象の関係に関する研究


所属していた学生の研究テーマ:
                                          
畑の気温と相対湿度を用いたジャガイモ疫病の発病に影響を及ぼす気象要因の検討(R05年度 修士)
Human-induced impacts on historical snow cover variations in the northern hemisphere: insights from simulation data(北半球の歴史的な積雪の変化に対する人間活動の影響:シミュレーションデータに基 づく洞察)(R05年度 修士)
過去の気候変動による日本における短時間の強い降水の変化(Changes in short heavy precipitation in Japandue to historical climate change)(R04年度 修士)
チベット高気圧と太平洋高気圧の二段階構造が日本における熱中症患者数に与える影響(Influence of the two-tired structure of Tibetan and Pacific high pressure systems on the number of heat stroke patients in Japan) (R04年度 修士) 沼口賞
A mechanism of Eurasian winter temperature variability linked to Arctic change investigated using large ensemble experiments (北極変動に関連したユーラシアの冬季気温変動のメカニズム-大規模アンサンブル実験を用いた調査-)(R03年度 修士)
Effect of sea surface temperature on precipitation variability in East Asia induced by the boreal summer intra-seasonal oscillation (夏季の季節内振動に伴う東アジアの降水変動に対する海面水温の効果)(R03年度 修士)
ENSOの季節的な遷移が日本の夏の天候に与える影響(R02年度 修士)
Interannual variation of annual maximum snow depth in Hokkaido and its relation to large-scale atmospheric circulation (北海道における年最大積雪深の年々変動と大規模な大気循環場の関係)(R02年度 修士)
Historical change of winter Tibetan Plateau snow cover and its controlling factors (チベット高原における冬季積雪被覆の歴史的変化とその決定要因) (R02年度 修士) 沼口賞ノミネート
風の変動に関する数値モデリング及びそれがフィリピンの電力システムの安定性に与える影響(R1年度 修士) 沼口賞ノミネート
ENSOに伴う総観規模場が北西太平洋における熱帯低気圧の活動と予測可能性に与える影響(H30年度 博士)
バングラデシュ沿岸域における極端な海面水位の変動に対する陸上降水の寄与(H30年度 修士) 
南アジアにおける移動性メソ対流システムの年々変動とトレンド(H30年度 修士)
北海道地方における吹雪による冬季の視程低下イベントの評価(H29年度 修士) 2017年度北海道雪氷賞「北の風花賞」
2015年のエルニーニョに伴う干ばつのもとで発生したインドネシアの火災と煙汚染(H29年度 修士)
衛星データを用いた全球の過去34年間における植生活動と気象要素の関係(H28年度 修士)
色水解析法を用いた夏季インドモンスーンおよび東アジアモンスーン地域における降水起源の季節変化(H28年度 修士)
Meteosat衛星を用いたケニアにおける太陽光発電ポテンシャル量の変動性の特徴(H28年度 修士) 沼口賞
モンゴルにおける極端高温に関する統計解析と数値実験: 近年の熱波増加に対する土壌水分の寄与の可能性(H27年度 博士)
積雪被覆が札幌の冬季ヒートアイランドに与える影響の評価(H27年度 博士)
出力変動の時空間特性を考慮した北海道の耕作放棄地に対する再生可能エネルギー導入可能性(H27年度 修士)
地球温暖化による気温上昇の不確実性を考慮した北海道産てん菜の糖量予測(H26年度 修士) 沼口賞
北海道におけるイネの生産性および冷害評価に関する研究(H25年度 博士)
泊原子力発電所を対象とした季節毎の放射性物質の拡散予測分布図の作成(H25年度 修士)
北海道における昇温事例の時空間的特徴に関する解析(H23年度 修士)
水循環モデルを用いた石狩川の流出量に対する地球温暖化影響の感度実験(H23年度 修士)
北海道における近年の夏の気候についての解析的研究(H22年度 修士)
北海道における土地被覆改変に対する地域的気候応答(H22年度 修士) 沼口賞




地球圏科学専攻 大気海洋物理学・気候力学コース (8月,10月,2月入試)

研究できる内容: 気象学,気候学の基礎研究
物理的な視点に立脚した気象,気候変動のメカニズム
大気海洋相互作用や気候力学の視点で行う気象学の研究


所属していた学生の研究テーマ:
             
九州地方における強雨域の空間的特徴と近年の増加要因の解明(R05年度 修士)
水蒸気起源に着目した北東アジアの夏季降水量変動に関する研究 (R03年度 修士)
台風によってもたらされる晩秋の降雪に対する海面水温の影響 (R03年度 修士)
総観場に着目した北海道における強い降雪の気候変化に関する研究 (R02年度 修士)
北海道における夏季の強い降水に対する近海のSSTの影響 (R01年度 修士)
東アジア半乾燥地域におけるメソ対流系の発生に対する陸面の寄与(H30年度 修士)
中央および東シベリアにおける森林火災の発生環境と大気汚染物質の日本への輸送(H30年度 修士)
対流性降水の日周期性に着目した降水強度と地上気温の関係(H30年度 修士)
大規模アンサブル気候データを用いた日本周辺における台風通過頻度の将来変化に関する要因解析(H29年度 修士)
総観規模の大気循環場が北海道内陸における霧の発生に与える影響(H28年度 修士)
GPS可降水量を用いた日本各地の可降水量の極値に関する統計解析(H28年度 修士)
冬季南アジアにおける降水の季節内振動、日変動に関する研究(H27年度 修士)
冬季北海道西岸沖に発生するポーラーロウに対する下部境界条件の役割(H27年度 修士)
東京に降雪をもたらす低気圧の活動と黒潮流路変動の関係についての統計解析(H26年度 修士)
冬季日本海における低気圧活動の年々変動と海面水温の関係(H26年度 修士)
10分値降水量を用いた東京とその近郊における短時間強雨の特徴(H25年度 修士)
台風季節予報に向けた大気・海洋環境場のデータ解析(H25年度 修士)






卒業後の進路について


 気象や気候は我々の社会に対して様々な影響を及ぼします。 このチャートを見れば,皆さんの想像以上に気象学の知見を活かすことができる 進路は多いと思いませんか? この他にも,当研究室ページ気象庁のページに, 気候サービスに関する情報があるように,気象や気候の情報を活用することで 安全・安心で便利な社会へと発展していくことが期待されています。実際に,様々な業種の企業・団体が気象データの活用に関心を持っています(こちらを参照)。

 当研究室で学んだ気象学と関連知識を自分のセールスポイントにして,専門性を 生かして社会で活躍する人材の育成を目指しています。そのためにも,自分の研 究だけでなく,研究室メンバーの研究が社会とどのようにリンクするのかを常に 意識しながら,楽しく一所懸命に研究に取り組んでくれる学生を歓迎します。


卒業生の進路(転職含)
  • 大学,研究機関:
  • 北海道大学(Hokkaido University, Japan); Monash University (Australia)
    ジョモ・ケニヤッタ農工大学(ケニヤ)(Jomo Kenyatta university of agriculture and technology, Kenya); 気象水文環境監視庁 気象水文環境情報研究所(モンゴル)(Information and Research Institution of Meteorology, Hydrology and Environment, Mongolia); 国家水文気象局 中央水文予報センター(ベトナム)(National Center for Hydro - Meteorological Forecasting, Vietnam); 気象気候地球物理庁(インドネシア)(Indonesian Agency for Meteorology Climatology and Geophysics, Indonesia); 宇宙研究リモートセンシング機構(バングラデシュ)(Bangladesh Space Research and Remote Sensing Organization, Bangladesh); 気候変動影響研究センター(パキスタン)(Global Change Impact Studies Centre, Ministry of Climate Change, Pakistan)

  • 公官庁:
  • 気象庁, 東京都庁, 北海道庁, 佐賀県庁, 札幌市

  • 民間企業等
  • 野村総合研究所, 日本航空株式会社,NTTデータ, 損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント, ウェザーニューズ, 自然電力株式会社, ホクレン農業協同組合連合会, 雪印メグミルク株式会社,中日本高速道路株式会社, アクセンチュア株式会社, 株式会社ゼンリンデータコム, 北海道エアポート株式会社, 日本アイ・ビー・エム デジタルサービス株式会社, 玉野総合コンサルタント株式会社, 日立ハイテクソリューションズ, NECソリューションイノベータ, Wicresoft Shanghai, ホクレン肥料株式会社, アビームシステムズ株式会社, 株式会社タマス, 株式会社マキタ,株式会社ゴーガ, 株式会社ティーピーエス, 個別指導塾スタンダード,