必答問題とは
我々のコースの秋入試の専門試験は、数学と物理の必答問題と数学、物理、地球物理(気象海洋物理学)の選択問題から構成されています。この意図がどこにあるのかからまず説明しましょう。
このコースでは、気象学や海洋物理学を大学で学んでこなかった人を対象に、講義と演習で基礎から学べるカリキュラムを組んでいます。また、物理学や数学の得意な人とともに、地球科学を学んできた人にも門戸を開いています。ただ、気象学や海洋物理学の理解には物理学の基礎が必要です。物理学の基礎を理解するには数学もある程度必要です。さらに、数学は大気や海洋を観測して得た多量のデータを解析し、価値ある情報を引き出すのにも必要です。必要なことは講義や演習を通じて教育しますが、それでも、講義等を進めるに際し、前提としたい物理や数学の基礎があります。そのような基礎を有しているかどうかを問うのが必答問題です。
必答問題では、我々が必要だと思っている広くはない範囲の知識や理解を繰り返し、形を変えて問うています。ただ、だからと言って必ずしも易しいわけではないようですが、何を理解して欲しいと教員側が思っているかは比較的分かりやすいと思います。試験は全問正解でなければいけないわけではありませんが、必答問題で問うているような演算規則や数学・物理概念に親しんでいるかどうかは入学後の勉学の進展に影響します。ですから、これまで物理や数学を本格的には学んでこなかった皆さんも、これを機会にこの様なものにも慣れてもらえればと思います。
以下では、過去の問題を見て、教員側が入学者に期待しているであろう基礎的
な数学と物理について私なりの簡単な解説を記します。
なお、この解説は、大気海洋物理学・気候力学コース
を受験しようと思っている人、また、このコースに入学しようと思っている人た
ちの便宜を図るために、久保川個人が作成しているものです。コースの公式のも
のではありません。間違い等もあるかもしれませんが、それにより読者が蒙る損
害等に対しても無保証であることもお含みおき下さい。
知っていて欲しいこと、分かっていて欲しいこと
大学院の授業等で前提にしたい数学・物理は、理科系の大学1−2年生で習うレ
ベルを想定しています。以下は、私が数学と物理で、知っていて欲しいと思っ
ている事柄です。コースの総意ではありませんが、それなりに、過去の必答問題の多くをカバーしていると思います。
過去問の解答例と解説
ここにあるのは解答例だけです。問題は過去問のページを参照してください。 (2020年度入学試験以降については藤原正智が担当しています。)
2024年度入学試験(2023年8月実施) 問題1:必答問題(準備中)