招待講演

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(以下講演順)

講師青木 一真 先生
所属富山大学大学院理工学研究部(理学)
講演題目エアロゾルの太陽放射観測からつながる様々な出会いから
講演要旨 卒業研究から首尾一貫して「太陽放射観測による大気エアロゾルの光学的特性の気候影響」について研究を行っている。最近は、「太陽光」というキーワードなのか、自分の特徴(性格)なのか、自分の研究を主軸に他分野(大気、海洋、雪氷、植生、山岳、医学、再生可能エネルギー等)融合研究を積極的に進めている。これは、私の武器でもあり、多くの人たちとの出会いを楽しめることでもある。北大低温研の大学院生時代、一声かければ「ジンパ」が始まった環境に育ったせいもあるかと思うが、みなさんもこの「夏の学校」で大いにいろいろな人と交流して欲しいと思う。エアロゾルの太陽放射観測からつながる様々な出会いや最新の研究内容について、私の経験談を踏まえて、研究の楽しみ方や社会へのつながりから「何か」を伝えることが出来ればと思う。
略歴●1969年 東京生まれ、北海道育ち。
●1994年 東京理科大学理学部第二部物理学科卒業
●2002年 北海道大学大学院地球環境科学研究科博士後期課程修了、博士 (地球環境科学)
●2002年 富山大学講師、助教授、准教授を経て、現職 (理学部地球科学科担当)。
●2011年より東京理科大学総合研究機構山岳大気研究部門客員准教授を兼務、現在は客員教授。
●青木研URL(http://skyrad.sci.u-toyama.ac.jp/Aoki_lab/)

講師山﨑 孝治 先生
所属国立極地研究所/北海道大学地球環境科学研究院
講演題目北極振動と北極の海氷
講演要旨 北半球冬季に卓越する変動である北極振動、またの名を北半球環状モード、について説明する。基本的に波と平均場との相互作用による大気内部の変動である。北極振動に関して著者が関わったいくつかの話題について述べる。
 それは、成層圏とのリンク、北極振動の長期変動や季節変動、季節間の相関になどである。冬−夏の相関に関しては、20年前までは冬の北極振動が正であれば夏も正であることが多かったが、近年は冬と夏は逆になることが多い。
 北極海の海氷減少と大気循環の関係についても述べる。冬の正の北極振動が夏の海氷を減らす傾向があるが、夏も負の北極振動が海氷面積変動の減少に寄与する。一方、北極海の海氷減少は冬の北極振動を負にする傾向があり欧州・東アジア・北米に寒波をもたらす。近年の寒冬の要因の一つに温暖化による北極海の海氷減少があるという奇妙な話である。
メッセージ自分が好きなように勉強し研究し生きていけばいいのですが、それが結構難しい。
略歴学歴
1973年3月31日 東京教育大学大学院理学研究科修士課程応用物理学専攻 修了
1988年3月25日 東京大学大学院理学研究科より理学博士(論文博士)取得

職歴
1973年4月1日   気象庁 予報部予報課
1975年4月1日  気象庁 気象研究所へ配置替 初め予報研究部、後に気候研究部
1981年6月1日  米国UCLA気象学教室へ派遣(~1983年8月31日)
1990年4月1日  同 気候研究部 第2研究室長 
1994年10月1日 北海道大学 大学院地球環境科学研究科 教授 
2012年3月31日 定年退職
2012年4月1日  同研究院 特任教授(〜2013年3月31日)
  現在 北海道大学名誉教授

講師見延 庄士郎 先生
所属北海道大学大学院理学研究院
講演題目大気海洋の変動と相互作用
講演要旨 地球の気候は,大気と海洋という性質が異なる2大流体圏があるために,どちらか一方しかない場合よりもはるかに複雑で,また研究をする上で魅力的なものとなっている.人間社会も,男性と女性の両方がいることで,豊かになっているだろう.この大気と海洋に共通する変動と,両者の間の相互作用について,自分が行ってきた研究を中心に紹介したい.具体的には,大学院生時代からはじめた熱帯の季節変動研究,その後に向きあった大気と海洋の十年変動研究,そして中緯度の大気海洋相互作用である.これらの研究では,発見的データ解析を志向し,多くの試行錯誤を行ってきた.本講演ではまた,特に若い方に参考になるであろうから,何を考えてこれらの研究を行ってきたかも紹介したい.
メッセージ 試行錯誤つまり try & errorで大事なのは,errorをするようなtryをすることだ.大きいtryをすれば,すんなりうまくは行かない.errorがないなら大したtryをしていないのだ.nice tryとerrorをして,より高度な挑戦に進む繰り返しが,皆さんを大きくするだろう.
略歴昭和60年3月25日 北海道大学・理学部・地球物理学科卒業
昭和60年4月1日  北海道大学大学院・理学研究科・地球物理学専攻・修士課程入学
昭和62年3月25日 同課程修了
昭和62年4月 1日 (株)ビー・ユー・ジー入社
昭和63年3月31日 同社退職
昭和63年4月1日  北海道大学大学院・理学研究科・地球物理学専攻・博士後期課程入学
平成1年3月31日  同課程中退
平成1年4月 1日  北海道大学・理学部・地球物理学科 助手
平成9年5月 1日  北海道大学大学院・理学研究科 助教授
平成17年4月 1日  北海道大学大学院・理学研究科 教授

講師坂崎 貴俊 先生
所属京都大学生存圏研究所
講演題目地球大気の日変動 ~地上風からオゾンまで~
講演要旨 私はこれまで大気の日変動を対象に研究を進めてきました。局地循環や大気潮汐など、加熱が生ずる緯度・高度・空間スケールによって多様な現象が生ずるところが日変動研究の面白いところです。
 研究を始めるきっかけ、その発展のさせ方は三者三様だと思います。私の場合は、学部生の頃に自由研究がてら行った気象観測が、現在の研究の原点となりました。以後、個人的興味と学術的意義の接点を探りつつ、様々な運にも恵まれながら研究を進めてきました。どのような経緯・辿りあわせで現在の研究に到っているのか、学会発表には現れない視点に立って自身の研究を紹介してみたいと思います。
メッセージ 私が初めて夏の学校に参加したのは前回の北大主催時で(7年前;学部4年時)、以後、学生時代にはほぼ毎年参加してきました。同期が少ない研究業界において、全国に友達ができる貴重な機会です。大いに楽しんでください。私の発表は気楽にどうぞ。
略歴2008年 3月 北海道大学 理学部 地球科学科卒業
2010年 3月 北海道大学 環境科学院 地球圏科学専攻 博士前期課程修了
2013年 3月 北海道大学 環境科学院 地球圏科学専攻 博士後期課程修了(博士)

職歴
2010年 4月-2013年3月 日本学術振興会特別研究員DC1 
2013年 4月-現在    日本学術振興会特別研究員PD(京都大学生存圏研究所に所属)

講師小山 博司 先生
所属東京大学大気海洋研究所 / 気象研究所
講演題目アンサンブルデータ同化
講演要旨 大気や海洋でのデータ同化とは、観測データと数値モデルを活用して、均質的で高精度な大気や海洋の場を求める方法であると言える。この分野はこれまで現業の予報機関を中心として発展してきたが、近年では大学などでもデータ同化を用いた研究が少しずつ増加している。本講演では、データ同化の概念やそれを用いた研究について自身の研究成果を交えて紹介する。特に、現在開発中のアンサンブル・カルマンフィルタを用いた大気海洋結合系データ同化システムによる実験結果について紹介する。少しでも皆様にデータ同化やアンサンブル予報という研究分野に興味を持ってもらえるような発表を目指したい。
略歴(学歴)
2004年3月 金沢大学理学部物理学科 卒業
2006年3月 北海道大学大学院地球環境科学研究科 修士課程修了
2010年6月 北海道大学大学院環境科学院 博士課程修了

(職歴)
2010年4月 海洋研究開発機構 ポスドク研究員
2014年4月 東京大学大気海洋研究所 特任研究員/気象研究所 客員研究員