担当講義・演習 (2010年度) |
◆ 地球環境科学総論 (Introduction to Environmental Earth Science) 2単位
担当教員: 山中 康裕・工藤 岳・柴田 英昭・神谷 裕一・田中 俊逸・長谷部 文雄
キーワード: 環境科学, 地球環境, 地球温暖化, 生物多様性, 環境修復, 大学と市民, 気候科学, 地球システム, 気候変動, 生態系, 物質循環
授業の目標等: 環境科学を大学院で学ぶにあたって、環境科学全体像を俯瞰すること。
到達目標: 環境科学を大学院で学ぶにあたって、出発点となる動機を確認し、今後大学院での環境科学に関わる学習・研究を進める上で、自分の立ち位置を確認するような包括的理解をすること。
授業計画:
3日間(4月6日~8日)を、午前9:00~12:00、午後13:00~16:00(それぞれ途中10分間の休憩を含む)の6回に分割し、下のテーマに沿って教員が担当する。初日は山中、2日目、3日目は、工藤・柴田・田中・長谷部が担当する。
1. はじめよう環境科学:山中康裕(吉村暢彦・中村一樹GCOEコーディネータ)
2. 地球温暖化問題など:山中康裕
3. 生物多様性など:工藤岳
4. 物質循環・森林生態系など:柴田英昭
5. 県境汚染・修復など:田中俊逸
6. 気候システムなど:長谷部文雄
授業を分担する内容: オゾン層破壊と大気汚染 配布資料
1. 地球大気 | 2. 成層圏オゾン | 3. オゾンホール | 4. 広域大気汚染 | 5. オゾンと気候変動 |
◆ 大気海洋物理学基礎論 (Fundamental Lecture in Atmosphere-Ocean Physics) 2単位
キーワード: 気象学, 海洋学, 大気大循環, 地衡風(流), 温帯高低気圧, 熱帯気象学, 数値予報, 大気境界層, 大気化学, オゾン層, 気候変動, 地球温暖化, 熱塩循環, 風成循環, ポテンシャル渦度, 西岸境界流, 海洋混合層, 潮汐
授業の目標: 現実の大気と海洋の構造や循環・変動を把握し、それらを理解するために必要な大気・海洋の力学・熱力学の基礎を学ぶ。 大気・海洋中の主要な現象とそのメカニズムの概要を学ぶ・理解する。
到達目標: 大気と海洋の構造や循環・変動を記述する大気・海洋の力学・熱力学の基礎を習得する。
授業計画:
大気編 (長谷部) | 海洋編 (大島) | |
1. 気候の形成 (資料) | 1. 深層(熱塩)循環・海水の性質 | |
2. 大気大循環 (資料) | 2. 海面フラックス・熱塩収支・海洋混合層 | |
3. 総観規模現象 (資料) | 3. 海洋の支配方程式・地衡流 | |
4. 中層大気とオゾン層 (資料) | 4. 渦位保存・風成循環 | |
5. 大気境界層・大気化学 (資料) | 5. 海を計る・海をシミュレーションする | |
6. 気候変動・地球温暖化 (資料) | 6. 潮汐・混合・その他 | |
7. テストと復習 | 7. テストと復習 | ホームへ移動 |
◆ オゾン層破壊・紫外線影響評価総論 (Introduction to the Ozone Depletion and the Effects of UV Radiation) 2単位
担当教員: 東 正剛・長谷部 文雄・廣川 淳・藤原 正智・露崎 史朗・鈴木 光次・豊田 和弘
キーワード: オゾン層, 極渦, オゾンホール, 輸送過程, 放射過程, 化学過程, オゾン消失反応, 極成層圏雲, 異相反応, 紫外線, DNA, 生物多様性
授業の目標: 地球環境問題の1つであるオゾン層破壊のメカニズムと将来予測を解説するとともに、これによって増加する紫外線が陸域環境、海洋生態系、動植物にどのような影響を及ぼすか考察する。
到達目標: オゾン層破壊の仕組みと紫外線強度増加による生物への影響について理解する
授業計画:
1. 総説、生物-地球環境相互作用系 (東) | ||
第1部 大気オゾンの物理と化学 | 第2部 増加する紫外線の影響評価 | |
2. オゾン (藤原) | 8. 紫外線による地表物質への影響 1 (豊田) | |
3. 大気圏の構造 (長谷部) (資料) | 9. 紫外線による地表物質への影響 2 (豊田) | |
4. 南極オゾンホール (長谷部) (資料) | 10. 水中の紫外線環境 (鈴木) | |
5. オゾン層の光化学 (廣川) | 11. プランクトン等への影響 (鈴木) | |
6. オゾンホールに関わる化学過程 (廣川) | 12. 陸上植物への影響 1 (露崎) | |
7. オゾン層破壊の歴史と将来予測 (藤原) | 13. 陸上植物への影響 2 (露崎) | |
14. 動物への影響 (東) | ホームへ移動 |
教科書:「オゾン層破壊の科学」, 北海道大学大学院環境科学院編, 北海道大学出版会-->
◆ 統合環境観測法実習 大気環境の部 オゾン・水蒸気観測 (環境起学専攻) 4単位の内の1単位分
担当教員: 長谷部 文雄 (地球圏科学専攻のオゾン観測法演習と共同開講)
目的: 大気オゾンの測定原理について学び、実際に機器を操作して大気オゾン観測を体験すると共に、グループごとに各メンバーが協力・分担して観測データを解析する。
内容: 紫外吸光法による地上オゾンの連続観測を実施すると共に、Electrochemical Concentration Cell (ECC)オゾンゾンデを飛揚(QuickTime movie 3.2MB; 低解像度 964kB; 高解像度 130.5MB)し、地上から高度30 km付近までの鉛直オゾン分布を観測する。 続いて、観測されたオゾン量を各種気象データなどと合わせて解析し、その変動要因について議論・考察し、レポートにまとめる。 資料 ホームへ移動
◆ 南極学特別講義 I (Special Lecture on Antarctic Science I) 2単位
担当教員: 青木 茂・福井 学・杉山 慎・飯塚 芳徳・長谷部 文雄・澤柿 教伸
キーワード: 極域, 氷河, 氷床, 海氷, オゾン量, 海洋深層循環, 気候変動, 生態系, 南極条約
授業の目標等: 南極氷床や凍土の融解、大陸氷河の後退や北極海の海氷面積の減少など、雪氷圏は気候変動の影響を強く受けると同時に、その変動が海洋循環や地球環境に大きな影響をもたらすという相互作用によって、地球システムの重要な要素と認識されている。 本講義では、極域観測の成果に基づいて、変動する南極や北極の実態を理解するとともに、極地から眺めた多元的な地球環境理解を目指す。
到達目標: 極域に固有の気候システム・生態系についての基礎的なメカニズムを理解し、その変化の現状を知る。 極地から地球環境の現状を考える。 南極観測等、フィールドの最前線で観測に携わってきたエキスパートの体験に触れ、そのフロンティア・スピリットに学ぶ。
授業計画:
1. 極域の大気 -大気大循環とオゾンホール-
2. 極域の海洋と海氷 -海洋深層循環と地球環境のセンサー-
3. 氷床・氷河 -氷床のダイナミクスと海水位変動との関わり-
4. 極地の生物 -極限の生命と生態系-
5. 南極と人間 -南極観測の歴史と南極条約-
◆ 巡る空と海 (Dynamic Atmosphere and Ocean) 2単位
キーワード: 大気大循環, 海洋大循環, 水循環, エネルギー・水収支, 地衡風/地衡流, 風成循環, ロスビー波, 気候変動・予測, 地球温暖化, 災害
授業の目標: 我々は、陸の上に立ち、大気に包まれ、海と接して生きている。これらの巨視的な構造と成り立ちを理解することは、したがって最も基本的な環境の理解に他ならない。 本授業では,地球規模の大気循環、海洋循環、陸域水循環を把握し、さらに発展的な内容にすすむために必要な大気・海洋物理学と陸水学の基礎を理解することを目標とする。
到達目標: 大気や海洋における大規模な流れの形成と構造を物理の概念を用いて説明できる。 大気-海洋-陸面間の水・エネルギー収支を理解できる。
授業の内容・計画等:
大気編 (長谷部) | 海洋編 (中村) | 陸水編 (知北) | 1. 空を観る物理の眼 (資料) | 6. 海の多彩な物理現象 | 11. 地球のエネルギー収支と水循環 | 2. 地球を巡る風 (資料) | 7. 海洋上層を支配する風成循環 | 12. 陸域の水循環と災害 | 3. 空を駆ける波 (資料) | 8. 数千年かけて地球を巡る熱塩循環 | 4. 気候の振り子 (資料) | 9. 海の中の巨大な波:内部波と混合 | 5. 空の神を演ずる (資料) | 10. 北海道周辺の海 | 試験 大気編解答例 ホームへ移動 |
◆ 気候変動を科学する 1単位
担当教員: 山崎 孝治・石渡 正樹・山中 康裕・江淵 直人・谷本 陽一・白澤 邦男・藤原 正智・長谷部 文雄・堀之内 武
キーワード: 地球環境変動, 地球温暖化, オゾンホール, 天気予報, 大気大循環, 海洋循環, エルニーニョ, 海氷, 古気候, 異常気象
授業の目標: 地球の気候はどのようにして定まっているのだろうか、また、それはどのように変動しているのだろうか。 地球温暖化・オゾン層破壊といった人間活動による環境破壊が進行しつつある今日、気候変動の科学は大学で学んでおくべき必須の事柄といってよい。 この講義では、大学院環境科学院を担当する気象学・海洋学の専門家が、それぞれの専門分野の最新の知見に基づき、気候を形成している大気・海洋の循環や天気予報・気候予測などについて、文科系の大学初年度生にも理解できるように解説する。
到達目標: 自然界は不思議な事柄にあふれている。 大学で求められているのは、現象の記憶に力点が置かれていた高校までの勉強から脱却し、自らの問題意識で解明すべき課題を発見し追究すること。 そのためには、必要な事柄を学習し様々な知見を統合し推論を積み重ね、物事の一般化を図らねばならない。 こうした一連の作業による問題解決の経験は、人生を豊かにしてくれる。 到達目標は、気候変動を題材として日常生活の中にこうした「科学する」心を培うこと。
授業の内容・計画等:
1. 地球の気候の概要 (山崎) | 8. 海氷と気候の変動 (白澤) | 2. 太陽系惑星の構造と起源 (石渡) | 9. 大気微量成分とその役割 (藤原) | 3. 過去の気候変動(古気候/古海洋) (山中) | 10. 成層圏の気候と大気循環 (長谷部) 資料 | 4. 対流圏の気候と天気予報 (山崎) | 11. オゾンホール (長谷部) 資料 | 5. 人工衛星で海を見る (江淵) | 12. 地球温暖化 I (堀之内) | 6. 世界の海洋循環と気候 (谷本) | 13. 地球温暖化 II (堀之内) | 7. エルニーニョと気候変動 (谷本) | 14. 試験 解答例 ホームへ移動 |