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第 422 回 大気海洋物理学・気候力学セミナー のおしらせ

日 時: 10月 8日(木) 午前 09:30 - 11:00
Date : Thu., 8 Oct. 09:30 - 11:00
場所 :低温科学研究所 3階 講堂
Place:Institute of Low Temperature Science, 3F. Auditorium

Speaker: 三浦樹(博士後期課程三年)
Title: 黒潮続流域の海面水温昇温が中緯度から低緯度の大気海洋相互作用に及ぼす影響

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黒潮続流域の海面水温昇温が中緯度から低緯度の大気海洋相互作用に及ぼす影響
三浦樹(博士後期課程三年)
発表要旨:

熱帯の大気海洋結合変動が、テレコネクションを通じて中高緯度の気候に遠隔影響 を及ぼすことはよく知られている。一方、中緯度海洋が大気を介して亜熱帯や熱帯へ 及ぼす低緯度向きの影響については十分に理解されていない。これには、中緯度海洋 の海面水温(SST)偏差に対する大気応答が大気内部変動に比べて小さく、中緯度海 洋の能動的な役割を観測から分離することが難しいことが挙げられる。しかし、こう した低緯度向きの影響は熱帯大気海洋結合系を変調し、熱帯を起点とするテレコネク ションにも影響しうるため、熱帯-中緯度間の気候形成を理解するうえで重要である。  本研究では、黒潮続流(KE)域のSST昇温を対象に、大気大循環モデル (MIROC6-AGCM; T85L81)と大気海洋結合モデル(MIROC6-CGCM;大気T85L81, 海洋 0.25° L63)を用いた大規模アンサンブル実験を行い、中緯度海洋から亜熱帯・ 熱帯への影響を調べる。  まず、KE域に正のSST偏差を与えた100メンバーのAGCM実験では、大気内部変動 によらず北太平洋亜熱帯域に西風偏差をもたらし、貿易風を弱めることが示された。 これはERA5を用いた客観再解析データを用いた解析の結果と整合する。この西風 偏差は海面からの熱放出を抑制し、亜熱帯域のSST昇温に寄与しうる(Miura and Tanimoto,2026)。  次に、この知見を大気海洋結合系へ発展させ、CGCMを用いた100メンバーの部 分結合実験を行った。その結果、結合系でも亜熱帯の西風偏差が再現され、北太平洋振 動(NPO)の正位相側へのシフトとして特徴づけられた。冬季平均の亜熱帯SST応答は弱い ものの、西風偏差に続いて晩冬から正のSST応答が現れ、春から夏にかけて最大となった。 さらに300年の長期全球結合実験(piControl)の解析から、KE域が高温の年に同様の 亜熱帯SST発展を伴う場合、その後熱帯域でエルニーニョ型のSST偏差が発達する 傾向がみられた。  これらの結果は、KE域の海洋昇温が亜熱帯の大気海洋相互作用を介して熱帯の気 候系へ影響を及ぼす可能性を示唆する。

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連絡先

川島 正行
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