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第 418 回 大気海洋物理学・気候力学セミナー のおしらせ
日 時: 7月 30日(木) 午前 09:30 - 11:00
Date : Thu., 30 Jul. 09:30 - 11:00
場所 :環境科学院 2階 講堂
Place:Env. Sci. Bldg. D201
Speaker: 若尾和哉(博士後期課程三年)
Title: 九州地方における準停滞性の強雨の発生数の経年変化と気圧配置パターンとの関係
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九州地方における準停滞性の強雨の発生数の経年変化と気圧配置パターンとの関係
若尾和哉(博士後期課程三年)
発表要旨:
日本では、東アジア夏季モンスーンや熱帯低気圧など、多様な総観場の下で強雨 が発生する。先行研究では、将来の強雨増加率が総観場ごとに異なることが示さ れており、強雨の変化は総観場に依存すると考えられる。しかし、多くの研究で は、総観場の出現頻度の変動と、各総観場下における強雨の発生しやすさの変化 を明確に区別していない。局地的な強雨は広域の環境場に強く支配されることか ら、これらを分離して評価することは、強雨変動の理解に重要である。 本研究では、大きな降水災害をもたらす準停滞性の強雨に着目し、その発生が 多い九州地方を対象として、総観場ごとの発生特性と経年変動を支配する要因を 調査した。2006–2023年の6–9月を対象に、解析雨量およびJRA-3Qの海面更正気圧 を用いた。自己組織化マップにより6時間ごとの総観場を、九州の遠方に低圧部 が位置するFL-pattern、近傍に低圧部が位置するNL-pattern、日本の南海上に北 太平洋高気圧が張り出すNPH-patternの3種類に分類した。 その結果、準停滞性の強雨の経年変動は、いずれの気圧配置パターンにおいて も、総観場の出現頻度の変化よりも、各総観場下での強雨の発生しやすさの変化 に強く依存することが明らかとなった。また、その要因は気圧配置パターンによ って異なり、NPH-patternでは水蒸気流入と対流雲の組織化に寄与する風速の鉛 直シア、FL-patternでは中下層の湿潤大気と大規模な上昇流、NL-patternでは熱 帯低気圧の有無が、それぞれ強雨発生に重要な役割を果たすことが示唆された。 さらに、1979–2024年のAMeDAS降水データを用いて長期変動を解析した結果、 強雨の発生数にはNPH-patternおよびNL-patternで有意な増加トレンドが認めら れた一方、FL-patternでは有意な変化は確認されなかった。NPH-patternの増加 は、大気中下層の湿潤化に伴う対流不安定の強化が要因であり、NL-patternでは 熱帯低気圧を伴う総観場の出現割合の増加が寄与していることが示唆された。
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