****************************************************************************************************************

第 417 回 大気海洋物理学・気候力学セミナー のおしらせ

日 時: 5月 21日(木) 午前 09:30 - 11:00
Date : Thu., 21 May. 09:30 - 11:00
場所 :環境科学院 2階 講堂
Place:Env. Sci. Bldg. D201

Speaker: 大谷若葉(大気海洋物理学・気候力学コース/D3)
Title: 全球海洋モデルECCO LLC270の精度向上における氷山・氷河融解水の寄与

****************************************************************************************************************

全球海洋モデルECCO LLC270の精度向上における氷山・氷河融解水の寄与
大谷若葉(大気海洋物理学・気候力学コース/D3)
発表要旨:

グリーンランド氷床からの淡水供給には、氷河から分離した氷山の融解に加え、 氷河融解水によって生じる氷河底流出が存在し、その総量は約 750×10^9 m^3/yr に達すると推定されている 。しかし、現在のECCOでは、河川流量観測と水収支 モデルに基づく(Fekete et al. 2014)の陸域流出データが淡水フラックス強制と して用いられており、氷山融解や氷河底流出といったグリーンランド特有の淡水 供給過程は十分に考慮されていない。 そこで本研究では、全球海洋状態推定モデルECCOにおいて用いられているグリー ンランド起源淡水フラックスの妥当性を評価し、氷山融解および氷河融解水が海 洋場へ与える影響を解析した。具体的には以下の3種類の感度実験を実施した。 (1) 氷河底流出+氷山+河川流出 (2) 氷河融解水を海洋表層フラックスとして与える+氷山+河川流出 (3) 河川流出のみ(ECCO標準) 氷河底流出には(Cowton et al., 2015)のパラメタリゼーションを使用した。 一方、氷山場には、GEUSデータおよびALTIBERG由来の氷山淡水フラックスを用い た気候値を適用し、表層フラックスとして与えた。その結果、新たに作成した淡 水場はGEUSによる年間淡水流量と整合的であり、従来のECCO runoff場はグリー ンランド起源淡水を一桁程度過小評価している可能性が示された 。また、感度 実験では上層海洋の低塩分化が夏季・冬季の双方で確認され、冬季にはノルディ ック海で海氷増加、夏季にグリーンランド北方海域で海氷減少が見られた 。本 発表では、氷河・氷山融解水表現がECCOの高緯度海洋再現性に果たす役割につい て議論する。

----------
連絡先

川島 正行
mail-to: kawasima__at__lowtem.hokudai.ac.jp
※ __at__ は @ に置き換えて下さい。