****************************************************************************************************************
第 394 回 大気海洋物理学・気候力学セミナー のおしらせ
日 時: 11月 28日(木) 午前 10:30 - 12:00
Date : Thu., 28 Jul. 10:30 - 12:00
場所 :低温科学研究所 3階 講堂
Place:Institute of Low Temperature Science, 3F, Auditorium
発表者: 森吉 紘己(大気海洋物理学・気候力学コース/ D1)
Speaker: Hiroki MORIYOSHI (Course in Atmosphere-Ocean and Climate Dynamics / D1)
題目:ウェッデル海の領域モデル開発
Title: Development of Weddell sea regional model
****************************************************************************************************************
ウェッデル海の領域モデル開発
Development of Weddell sea regional model
発表要旨:
南極の氷の減少は主に西南極で顕著で、主な原因は暖かい水塊 (周極深層水) が 棚氷下部へと流入し、棚氷が融解することで薄くなり、その結果氷河の流動が加 速していることにある。本研究では南極の棚氷の中で最大の体積であるウェッデ ル海のフィルヒナー・ロンネ棚氷 (FRIS) に注目する。これまでFRIS は高密度 陸棚水 (南極沿岸で海氷が生産される時に生成される、高塩分で冷たい水) によ って暖水の侵入から守られており、安定した状態だと考えられてきた。しかし、 Hellmer et al., 2012 は数値モデルを用いて、FRIS では 21 世紀後半にティッ ピングポイントを超えて「棚氷下部に暖水が流入し、棚氷底面融解量が 20 倍に 激増する状態」へのレジームシフトが起こる可能性を示した。実際には、暖水の 流入経路など詳細なメカニズムやどのような条件で起こるかなどは明らかになっ ていない。 理解が進んでいない原因の一つは、ウェッデル海のモデル研究は全 球モデルを利用したものがほとんどで、高い観測再現性が実現できていないこと である。そこで、本研究ではウェッデル海の領域モデルを開発した。海洋モデル (MITgcm)を用いて、水平解像度 1/3°、鉛直方向 70 層の解像度で 1992 年 1月 から 2020 年 1 月までの約 30 年間を対象に計算を行った。発表ではその結果に ついて紹介する。
----------
連絡先