****************************************************************************************************************

第356回 大気海洋物理学・気候力学セミナー のおしらせ

日 時:12月9日 (木) 9:45 - 12:00
Date :Thu., 9 Dec 9:45 - 12:00
ツール:Zoom (Online)
Tool :Zoom (Online)

注意事項 :Zoomのミーティング情報が必要な場合は下記のメールアドレスまでお問い合わせください。
Note :If you need Zoom meeting information, please contact us at the email address below.

発表者:竹内 猛晶(大気海洋物理学・気候力学コース/D2)
Speaker:Takaaki Takeuchi (Faculty of Environmental Earth Science/D2)
題目:渦と海底地形の相互作用:非線形pseudoimage解とheton型渦対­

****************************************************************************************************************

渦と海底地形の相互作用:非線形pseudoimage解とheton型渦対
竹内 猛晶(大気海洋物理学・気候力学コース/D2)
発表要旨:

中規模渦は海洋において重要な役割を担う。特に、沿岸域は陸棚や陸棚斜 面といった急峻な海底地形が存在するため、渦と海底地形の相互作用を理解する ことは重要である。これらを点渦と階段型地形により理想化したモデルを用いた 先行研究では、点渦は地形に沿う運動と、渦対を形成し地形から離れる運動を行 うことが明らかとなっている。特に、地形に沿う運動はpseudoimageと呼ばれ、 これに対応する線形定常進行解が1.5層モデルにおいて導出されている(Dunn et al., 2001)。先行研究では、点渦と地形が同じ層内に存在する状況を扱ってい るが、現実の海洋では、上層に存在する渦と下層の海底地形といった視点が重要 である。そこで本研究では、上層に点渦、下層に階段型地形を持つf平面2層準地 衡流モデルを用いてこれらの相互作用を調べた。初めに、点渦の強さが無限小で ある極限で2層モデルにおける線形pseudoimage解を解析的に導出し、点渦が弱い が有限の強さを持つ場合において非線形pseudoimage解を数値的に求めた。非線 形解を初期に与えた数値実験により、非線形解は有限時間で崩壊すること、この 崩壊過程において流れ場に存在するサドルノード点が重要な役割を担うことが明 らかとなった。さらに本研究では、点渦の強さと初期時刻における点渦と地形の 距離をパラメータとして数値実験を行い、パラメータ空間内で運動形態を分類し た。この結果、この系に存在する運動形態は、点渦が地形に沿う運動( pseudoimage型)と、地形から離れる運動(heton型)であり、点渦と地形が異な る層に存在する場合、これらが十分近い距離にあっても、点渦が地形に沿う運動 形態が形成可能であることが明らかとなった。

----------
連絡先

安成 哲平
mail-to: t.j.yasunari__at__arc.hokudai.ac.jp
※ __at__ は @ に置き換えて下さい。