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第 236回 大気海洋物理学・気候力学セミナー のおしらせ
日 時: 12月 13日(木) 午前 09:30
場 所: 環境科学院 D棟1階 D101号室
発表者: 阿部 泰人(PD)
\\KHiroto Abe (PD)
題名: Aquariusが観測した海面塩分の精度評価
\\Evaluation of sea surface salinity observed by Aquarius
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Aquariusが観測した海面塩分の精度評価 \\Evaluation of sea surface salinity observed by Aquarius \\(阿部 泰人 \\Hiroto Abe)発表要旨 :
アメリカ航空宇宙局は衛星搭載塩分センサー(Aquarius) を開発し,2011年6月 10日,その打ち上げに成功した.海面塩分の分布によって海面の誘電率が異なり, 放射される低周波マイクロ波の放射輝度が変化する特性を利用して,Aquariusは 海面塩分を計測する.本報では,Aquarius で観測された海面塩分の初期データ を,Argoフロートの観測データと比較し,精度評価を行った結果について報告す る. 低中緯度域では,Aquarius の海面塩分は,全体的にArgoフロートの塩分とよ く一致していた.しかし南半球高緯度域では,Argo の塩分がほぼ一定であるに もかかわらず,Aquarius の塩分が 2 psu 以上大きくばらつく様子が見られた. 塩分の残差(Aquarius-Argo で定義)は赤道域で負(10^(o)N~10^(o)Sで-0.1 psu), 高緯度で正となっていた(40^(o)S以南で+0.3~+0.4 psu).残差の標準偏差は赤道域で 小さく(0.5~0.6 psu),高緯度で大きかった(0.6~1.0 psu). 観測原理上,低温域または強風域で,衛星による海面塩分の観測精度が低下す ることが予想される.実際この条件下で,残差の平均,標準偏差ともに大きな値 を示していた.この結果は,南半球高緯度域のデータのばらつきが大きかったこ とと一致する. Aquariusミッションにおける塩分観測精度の目標は,1か月150 kmの時空間平 均で0.2 psuである(Lagerloef et al., 2008).一般に,誤差がランダムである と仮定すると,時空間平均を行ったデータの誤差はデータ数の(-1/2)乗に比例し て小さくなると期待される.現時点でこのプロダクトは,高緯度の低水温・高風 速域を除けば,残差の標準偏差が約0.6 psuであるので,上記の時空間平均を適 用することで,目標達成が可能であると予想される.しかしながら,低水温域お よび高風速域ではさらなるアルゴリズム改良が必要であろう.
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