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第 214回 大気海洋物理学・気候力学セミナー のおしらせ
日 時: 4月 14日(木) 午前 09:30
場 所: 環境科学院 D棟2階 D201号室
発表者: 中村 知裕(低温科学研究所 環オホーツク観測研究センター/講師)
\\Tomohiro Nakamura, Lecturer, ILTS
題 目: 千島列島域における順圧潮流による小規模渦生成
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千島列島域における順圧潮流による小規模渦生 \\(中村 知裕 \\Tmohiro Nakamura)発表要旨 :
海洋には様々なスケールの渦が溢れている。中でも、中規模渦と呼ばれる 直径が数十km〜数百kmの渦は、強流域を中心に広く分布し、エネルギー・レベ ルが高く、外洋における海水や運動量等の輸送・混合に重要な役割を果たしている。 最近では、観測や数値モデルの高分解能化に伴い、中規模渦より一回り小規模 の渦も全球に広く存在していることが明らかになり、その成因と効果に注目が集まり 始めた。 本研究で対象とする千島列島域も渦だらけである。潮汐混合により生じた密 度フロントにおいて傾圧不安定により中規模渦が数多く生成されたり、日本海か らオホーツク海あるいはオホーツク海から北太平洋へと密度や層厚の異なる水塊 が流出する際に大規模渦が形成されたりしている。特に前者の中規模渦は、千島列島 域の海水輸送・混合に大きな影響を与えている。オホーツク海が北太平洋中層の水 の主な源であること及び千島列島域では栄養物質が豊富なことから、渦による千島列島 域の海水輸送と混合は北太平洋の海洋構造・物質循環さらには周辺海域の生態系ま で幅広く影響すると考えられる。 以上の種類の渦の他に、もっと小規模な渦が千島列島域に多数存在すること が衛星観測から見つかった。その数の多さから、この小規模渦も海水の輸送・混 合に寄与している可能性が高い。そこで、順圧潮汐シミュレーションにより同様の 渦を再現しその成因を調べた。面白いことに渦の生成・成長は非対称で、反時計回 りの渦の方が時計回りの渦より強く、数も多かった。その理由についても簡単に考 察した。
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