今回はいつもと場所が違いますので注意してください。
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第 104 回 大気海洋圏物理系セミナー のおしらせ
日 時:11月 22日(木) 午前 9:30
場 所:低温研 2階 大講義室
発表者:馬場 賢治 (極域大気海洋学講座 D2)
題 目:南極海海氷域における冬季の季節内振動について
発表者:石渡 正樹 (気候モデリング講座 助手)
題 目:3 次元灰色大気の平衡解の太陽定数依存性
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南極海海氷域における冬季の季節内振動について (馬場 賢治) 発表要旨 :
南極海は季節海氷域であり,その海氷の消長過程における変動が大きいこと で知られている.また,南極大陸を取り囲むように存在し,低緯度に開放的な 海洋である.このような海域における大気-海洋-海氷の相互作用について研究 することは,気候システムを理解する上では重要である.そのため,この南極 海を中心とした大気と海氷についての経年変動については数多くの報告がなさ れてきた.しかしながら,季節内程度の短時間の変動についての研究はほとん どなされいない.そのため,どのような現象が起こっているかは分からなかっ た.そこで,本研究ではその時間スケールの変動に注目して解析を行なった. 海氷域は季節の進行と共に低緯度に発達しているが,その変動とは別に低緯 度海氷縁域において,時空間的にある広がりを持った消長の変動が認められた. この変動は波数2〜4で東進しており,周期は10〜17日,位相速度は7〜12日で あった.同様に大気場においてもほぼ同じ変動が海氷縁付近にみることができ た.この大気の変動については,対流圏下部から成層圏に至るまで出現してい ることが併せて求められた.また,これらの結果はCEOF(Complex EOF)解析に より導出された空間分布と時間関数による再構成によっても再現されたので紹 介する.
3 次元灰色大気の平衡解の太陽定数依存性 (石渡 正樹) 発表要旨 :
大気の多重平衡解の数および種類について検討するため簡単な大気
大循環モデルを用いた数値計算をおこなった. 使用したモデルは同
一の灰色大気の 3 次元プリミティブモデルである. 地表面アルベ
ドは, 氷点以上の領域では 0, 氷点以下の領域では 0.5 とする.
海氷モデルは使用せず, 全ての領域において地表面は熱バランスが
成り立っているものとする.
このモデルを用いて太陽定数を変化させたパラメータスタディを実
行し, 南北1 次元エネルギーバランスモデルで示された多重平衡解
が3 次元系でも存在するか, 太陽定数に応じて平衡解の数はどのよ
うに変化するかを検討した.
パラメータスタディの結果, 太陽定数が増加するにしたがって解の
種類と数は以下のように変化することがわかった.
(1) 太陽定数が 1360 W/m**2 未満
全球凍結解のみ.
平衡解の数は 1個.
(2) 太陽定数が 1360 W/m**2 以上, 1600 W/m**2 未満
全球凍結解・部分凍結の平衡解・暴走温室状態.
平衡解の数は 2個.
(3) 太陽定数が 1600 W/m**2 以上, 1800 W/m**2 未満
全球凍結解・暴走温室状態,
平衡解の数は 1個.
(4) 太陽定数が 1800 W/m**2 以上
暴走温室状態のみ.
平衡解の数は 0個.
以上の結果は, 定性的にはエネルギーバランスモデルで得られるもの
と同様であった.
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