深町 康
2. 受け入れ可能人数: 2名

3. 専門分野
オホーツク海、南極海・北極海などの海氷が存在する寒冷海洋において現場観測 
を実施し、そこで得られた海洋や海氷のデータの解析を中心に研究を行っていま 
す。注目しているのは、海氷の存在が海洋の循環や海水の性質に、どのような影 
響を与えるかということです。(これまでに行ってきた研究については、ホーム 
ページにある論文リストを参照して下さい。)

4. 考えているテーマ
私と一緒に修論研究を行いたいと思っている学生さんが居る場合には、現在研究 
対象域としている南極海・北極海の研究を、観測データの解析を通して一緒にや 
ることを考えています。

5. これまでに指導した学生さんの修士論文のテーマ
(1) 「南極海における海洋上層構造に関する研究」
南極海のデータセットにある水温・塩分値を用いて、海洋上層の構造の海域に
よる特徴などを調べた。
(2) 「宗谷暖流の冬季の流速変動」 
オホーツク海北海道沿岸域で1998-2001年の冬季に行った係留観測で取得した流
速、水温、塩分のデータを解析し、地上風や潮位との関係などについて調べた。
(3) 「プロファイリングフロートデータを用いた南極海インド洋セクターにお
ける海洋上層構造に関する研究」
主に、日本南極観測隊が南極海のインド洋セクターで展開したプロ ファイリン
グフロートのデータ(中層から海面までの温度プロファイル)を用いて、この
海域の海洋上層の構造について調べ、その熱容量を海面での熱フラックスと比較
した。
(4) 「オホーツク海北海道沿岸域におけるADCPデータを用いた海氷運動に関する
研究」
オホーツク海北海道沿岸域で1998-2001年の冬季に行ったADCP (Acoustic
Doppler Current Profiler) の係留観測で取得した海氷の漂流速度、海洋表層
の流速データを、風のデータと共に解析し、これらの間にある関係を導き出
し、海氷の運動がどのような要因によって決まっているかを調べた。
(5) 「オホーツク海カラフト東岸沖におけるADCPデータを用いた海氷運動に関す
る研究」
オホーツク海カラフト東岸沖の海域で1998-2001年に行ったADCPの係留観測で取
得した海氷の漂流速度、海洋表層の流速データを用いて、海氷の漂流に対する
東カラフト海流や潮汐流の影響などについて調べた。
(6) 「ケープダンレー沖を中心とした東南極海域における南極底層水の特性に
関する研究」
南極底層水の主要な生成域である可能性が示唆されているケープダンレー沖の
海域において、最近取得された船舶観測データと過去に取得されたデータを合
わせて、南極底層水の特性の分布がどのようになっているかについて調べた。

6. 備考
将来の進路が進学か就職かに関わらず、これからの1年半の期間に地球環境の研
究で何かを成し遂げるという強い目的意識を持ち、受身ではなく自発的に研究
を進める意欲のある方を期待します。もし希望する方があれば、とにかくまずは
話を聞きに来て下さい。
Course in Atmosphere-Ocean and Climate Dynamics