1. 専門分野:海氷物理学、大気-海氷-海洋相互作用
現在、主に興味の対象としている分野は
季節海氷域の発達・融解過程です。
2. 受け入れ可能人数: 1名
3. これまでの研究内容:
研究を進めるに当たり、まずは現象を素直な目で見てみようという
ところから始めました。これまで18年間にわたって、毎年冬季結氷期に
砕氷巡視船を用いてオホーツク海南西部における成長期の海氷の特徴を
調べてきました。ビデオ、結晶構造や酸素安定同位体比 など様々な手法による
解析の結果、ある程度この海域の海氷域の成長過程の特徴を明らかにする
ことができました。最近では、極域の海氷観測にも参加し、より広範囲な
季節海氷域の一般的な特徴を明らかにしようとしているところです。
4. 今後取り組みたいテーマ:
海氷域のデータはなかなか得られないものであるため観測は重要です。
一方、ここ10数年のオホーツク海観測や南極観測から明らかになった海氷の様々
な
特性を物理的に解読するための基礎研究にも力を注いでゆければと思います。
結局のところはいかに複雑な現実を単純化するか(パラメタリゼーション)が
重要と思いますので、季節海氷域に適合する数値海氷モデルへの貢献を
念頭においた研究を行いたいと考えています。
具体的には、下記のテーマに関心を持っています。
・海氷の結晶構造から推測される成長履歴
・氷盤の形成崩壊過程
・氷厚発達過程
・衛星による氷厚分布の見積もり
・海氷が大気や海洋に及ぼす影響
・海氷上の積雪の役割
5. これまでに指導した学生の研究テーマ
・オホーツク海南部における氷盤分布の特徴
・季節進行に伴う海氷ブラインチャンネルの構造特性変化の研究
・融解初期における海氷の構造特性の変化
・擾乱下の海氷生成過程
学生の方とは、これまでの経緯に関わりなくお互いのやり取りの中で
良い方向を見出してゆければと思います。
6. 備考
もし希望される方がおられましたら、一度相談に来られるようお願い致します。
修士論文のテーマについては本人の希望も交えながら追々考えてゆきたいと思い
ます。