[受け入れ可能人数]:2名
[専門分野]:海洋力学、地球流体力学
[これまでの研究のキーワード]:
非線形波動、前線の不安定と非線形発展、渦、ロスビー波、海洋大循環、底地
形、混合層前線、サブダクション、通気水温躍層理論、亜熱帯反流、ジェット
[個人的傾向/嗜好]:
理論屋です。メジャーな現象でも(少なくとも私には)未だに何故そうなるのか
よくわからないもの、性質のよくわからないもの多々があります。そのような
事柄を理論的見地から(基本法則のみから出発して)理解したいというのが基本
です。現在の関心の中心は、西岸境界流の離岸と東向ジェットの形成問題です。
[学生向け研究課題]:
個人としては理論研究(単純なこと)しかしてきませんでしたが、学生さんに同
じようなことをやってもらおうという気はありません。相補的な関係が麗しい
と思っています。理論を念頭に置いたデータ解析や数値実験研究が理想です(も
ちろん、各人の嗜好にもよりますが)。なお、データ解析や数値モデリングを手
取り足取り教えることは私には難しいかもしれませんが、まわりに優秀な人が
たくさんいるので、大丈夫でしょう。私の守備範囲は中規模~惑星規模海洋現
象の物理及びその基礎となる地球流体力学です。最近の課題(興味)を書いてみ
ます。
1) 黒潮続流、もしくは、海洋ジェットの力学
西岸境界流に端を発する東向きの海洋ジェットの力学はまだまだ良く分かって
いません。その存在緯度、その東端の経度はどのようにして決まっているのか、
傾圧不安定は重要なはずであるが、その実際の役割やライフサイクルはどうなっ
ているのか? 等々。このような問題に対して、OFES等の現実的数値シミュレー
ションモデル出力の解析、理想的状況での実験、準線形論、線形安定性解析の
適用など、階層的道具・手法を用いて臨み、理解できればと思っています。
2) サブダクトした水の挙動と海洋循環構造
亜熱帯循環では、海面の水が海洋亜表層に沈み込み(サブダクトし)、海洋上層
の循環構造を形作ります。これまで、このような問題については、定常、かつ、
中規模渦の影響を無視した形で理論構築されてきました。しかし、より正しく
現実を理解するには、これらの制約を外さなければいけません。特に、海洋混
合層に起源を持つ低渦位水は、現実には、渦となって亜表層に入ります。この
場合、連続成層流体中での渦と渦(渦位パッチと渦位パッチ)の相互作用がその
輸送や、その成層構造への影響には重要になると想像されれます。このような
問題に関する基礎的事項から現実的状況までを、OFES等の現実的数値シミュレー
ションモデル出力の解析、理想的状況での実験、QGモデルなど、階層的道具・
手法を用いて臨み、理解できればと思っています。
3) その他諸々
地球流体現象で、比較的簡単な系・設定で起きうるのだがよく分からないこと
などは、全てテーマの候補です。やりたいこと、興味のあることがあれば一緒
に考えます。
少しでも関心のある人は、何時でも気軽に部屋に話しに来てください。