いよいよソンデ観測です。ゾンデというのはバルーンに気圧や気温、湿度をはかるセンサーをつけて飛ばし、センサーの位置などの情報を得ながら上空の風や大気の状態を調べる機械です。
観測は甲板にいる乗組員、調査員と操舵室にいる航海士さん達、そして研究室のオペレーターが連携しながら行っていきます。意思疎通がうまくいかないと観測はうまく行きません。また観測は思いもよらないトラブルがよくあります。例えばセンサーの不具合、海況模様などで予定通りに進まないときもあります。ソンデの場合、センサーがよくなかったり、バルーンが破裂するなどのトラブルがありました。しかし乗組員さん、僕以外の調査員の方の協力のおかげで、今回はいいデータが取れたと思います
船内生活
約1ヶ月の船上生活についてお話します。今回の観測は個室が与えられました。生活する船の移住区は航海士、機関士などの「士官」と「乗組員」の階級で分けられており、使用する風呂や食堂の席などは分けられています。朝食は7:30、昼食は11:30、夕食は16:30です。食事は量が大きく、メニューも豊富です。司厨の方がおいしい料理を作ってくれます(ずっと船酔い気味の僕にとっては量が多かったかな)。昼ご飯には必ず肉が出てきて魚が出てきません。夕食と朝食にはお魚が出てきます。僕は夜から昼だったので「朝ごはん」がありません。昼ごはんが「夕食」になります。一方、昼(12時)から夜(24時)の方は昼食が「朝食」になるため、「朝」からステーキやとんかつなどから一日が始まることがあります
世間で起こっているニュースは主にファックスの新聞で知ります。新聞は食堂の本棚に掲示され、政治や社会のほか、紙面の下のほうには「どこどこの海域で海賊が出た」とか、「北緯…、東経…でミサイルの射撃訓練があるので警戒せよ」など陸の上で普段聞かないニュースが掲載されています。洗濯は外に干せないため乾燥機で乾かします。また燃えるごみは船内の焼却炉で燃やします。
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僕の居室です。洗面台、ソファー、テレビ、クローゼットなどが備えられてます |
晴れた日は気持ちがいいです。 |
観測海域はどこを見ても海。漁船が操業してたり、鯨が潮吹いたり、虹が出たり… |
僕は船に弱かったらしく(長距離フェリーでは平気だが)、出航して1週間後くらいに猛烈な船酔いに襲われ、海から手荒い「洗礼」を受けました。荒天時は寝ていても後頭部を押さえつけられるような猛烈な揺れにあいました
観測を終えて
観測を終え、陸に上がってしばらく経ちます。現在は得られたデータを解析
中です。船での生活は船酔い以外はいい思い出です。指導教員からは「私より
立派なseamanになった」と言われました。乗組員の方は親切で、観測のサポートしてくださいました。今回の調査航海は僕にとって本当に貴重な体験でした。乗組員の方、調査員の方に厚く感謝いたします
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