****************************************************************************************************************
第 262 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2018/10/26(金) 15:00 -- 16:00
場 所:環境科学院 D101
発表者:中村 元哉(大気海洋物理学・気候力学コース M2)
題 目:日本の風力発電所における風況調査のための気象再解析データの評価
****************************************************************************************************************
日本の風力発電所における風況調査のための気象再解析データの評価(中村 元哉) 発表要旨 :
将来地球温暖化が進んだ場合、日本を含む多くの地域で石炭や石油による火力 発電に取って代わり再生可能エネルギーによる発電が増加することが予想されて いる。近年注目される自然エネルギーの一つである風力発電開発では、定常的な 高風速発現地域の選定が最も重要であるが、山岳地帯の複雑な地形や台風の影響 を受ける日本では風車の安定駆動が容易ではなく、風力発電開発適地の選定には 平均的な風向風速情報だけでなく、変動情報を含む風観測情報の評価が必要であ る。 イギリスにおける研究(Sharp re al.)では、陸上及び洋上において網羅的に利 用可能な、CFSRデータを用いて同じく陸上と洋上で観測されたMIDASデータとの比 較を行った。その結果、風速推定値が、陸上および海上での現場測定とよく相関 しており、英国において再解析データは現場測定の代替手段となり有益であると いう結論が得られた。一方で、風速は平均風速が他よりも高い所では精度が低い ことも示された。日本においても同様のデータセットが存在しており、気象庁55 年長期再解析を初期値・境界条件とした領域ダウンスケーリングしたDSJRA55が 利用可能である。本研究ではDSJRA55に関する研究Kayaba et al.を参考に平均風 速・風向・季節ごとの風の特性・長期変動が正しくDSJRA55で再現されているか について、地上観測データアメダスと比較することにより評価、検討する。
-----
連絡先