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第 244 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ

日 時:2016/10/18(火) 15:00 -- 16:00
場 所:環境科学院 D101

発表者:秋武 琢也(大気海洋物理学・気候力学コース M2)
題 目:北海道内陸における霧の発生メカニズムに関する研究

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北海道内陸における霧の発生メカニズムに関する研究(秋武 琢也) 発表要旨 :

 北太平洋北西域では夏季に海霧の発生頻度が高い。この海霧は夏季に発達する
亜熱帯高気圧によって南風が卓越し温暖湿潤な空気塊が北上し、冷たい親潮によ
って冷やされることによって発生する(Sawai 1988)。この海域の西部に位置する
北海道では南東部沿岸にて7月をピークとした高い霧の発生頻度が確認されてお
り、釧路においては北海道上空925hPa面の南西風成分の強さ指数が霧発生頻度の
経年変動の対応が示された(Sugimoto et al. 2013)。これらから霧の発生頻度は
総観規模の大気循環に大きく影響することが分かっている。このように北海道に
おいて主に沿岸部を中心に霧についての研究が進んでいる。しかしながら北海道
内陸においても十勝平野など霧の発生頻度が高い地域がある。帯広市では夏から
秋にかけて霧発生頻度が高く、釧路を代表とする沿岸部とは異なるメカニズムが
存在すると考えられる。内陸部の霧には、北海道が高緯度に位置する事から内陸
では放射冷却が強く、それにより発生する放射霧や、沿岸部から流入する移流霧
などが混在していることが指摘されている。しかし、この地域において発生する
霧を種類ごとに分類し、各々の発生メカニズムを解析した研究はない。従って本
研究では北海道内陸において発生する霧を分類し、それぞれの発生頻度を特定す
る。さらに、各々の霧について大気循環場との関係を調べることを目的とする。
本研究では、北海道内陸で発生する霧を分類するために実際の発生日を特定する
必要がある。占冠村に位置するトマムでは2010年からカメラ画像データを用いた
霧の観測を行っている。さらに同地点で地上気象データを観測している事から調
査対象地に指定した。また総観規模の大気循環場として全球気象再解析データの
JRA55を、北海道周辺の詳細な気象データとして気象庁のMSM数値予報GPVを使用
した。解析手法としては客観的な霧の分類を試みる為に2次元データの解析手法
であるクラスター分析を用いた。トマムにて霧が活発に観測される夏季(5月‐10
月)において「霧発生日」、「(発生非発生を含めた)全日数」、「霧非発生
日」それぞれにおいて気圧配置を5つのクラスターに分類し霧発生メカニズムを
調べた。今回の発表では、現在の解析の結果及び今後の展望について述べる。

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連絡先

北海道大学大学院 環境科学院
地球圏科学専攻 大気海洋物理学・気候力学コース
三村 慧 Mimura Satoru
E-mail:s-mimura@ees.hokudai.ac.jp