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第 223 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2013/10/02(火) 15:00 -- 17:00
場 所:環境科学院 D201
発表者:猪狩 義貴(大気海洋物理学・気候力学コース M2)
題 目:水温前線によって変調された海上風が海洋に与える影響
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水温前線によって変調された海上風が海洋に与える影響 (猪狩 義貴) 発表要旨 :
高解像度の数値モデルの出力および衛星による観測データから, 暖水渦や黒潮といった暖流 に伴う水温前線(海面水温勾配が大きい領域)に沿うようにして海上風の収束や回転が生じること が示されている. また, 水温前線によって変調され, 回転が生じた海上風が暖水渦を南下させる 作用(White and Annis, 2003)といった大気から海洋へのフィードバックに関する研究も近年 進められるようになってきたが, 未だに明確になっていない点が存在する. 村中(2012年度修士論文)は, 水温前線域(黒潮域)での海上風の収束および回転をもたらす 「非地衡風成分(海上風から海面気圧を基に計算した地衡風成分を引いた残差)」に注目し, 季節 変化および偏西風との関係を調べた. その結果, 冬季のような海から大気への海面熱フラックス が大きくなる場合には海洋からの大気の加熱による鉛直混合が盛んとなり, 偏西風の卓越する 北太平洋において非地衡風成分は西風成分が大きくなることを示した. 本研究においても村中 (2012年度修士論文)と同様に海上風の非地衡風成分を水温前線によって変調された海上風成分と 見なし, 混合層に対する影響を海洋混合層モデル(Kako and Kubota, 2009)を用いて調べるこ とを目的とした. 今回の発表では, JRA25およびJCDASの海上風をそのまま与える場合と海面気圧データを基にし た地衡風成分のみを与える場合とでのモデルの応答の違いについて述べる.
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