****************************************************************************************************************

第 219 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ

日 時:2012/10/24(水) 15:00 -- 17:00
場 所:環境科学院 D201講堂

発表者:本内 奈津子(大気海洋物理学・気候力学コース M2)
題 目:熱帯の季節内振動に伴う東アジア域の降水量変動とその要因の定量的評価

****************************************************************************************************************

熱帯の季節内振動に伴う東アジア域の降水量変動とその要因の定量的評価 (本内 奈津子) 発表要旨 :

 Madden and Julian (1971,1972)により熱帯において支配的な季節内振動であ
るマッデン・ジュリアン振動(MJO)が発見されて以来,その力学や気象・気候への様
々な影響が研究されている.MJO自体は熱帯の現象であるが,その影響は中・高緯度
まで及ぶことが知られており,東アジア域においては降水変動に着目した研究が行
われている.
 本研究では,本間.2011(修士論文)で明かにされたMJOに伴う夏季降水量変動
をもたらす鉛直流変動について,その変動をもたらす要因をQベクトルを用いた準地
衡オメガ方程式を用いて明かにする.
 鉛直流の鉛直構造を単純なsin型で仮定し,簡易的にオメガ方程式を解いて得ら
れた結果でも,中緯度においてはそれなりに鉛直流が再現された.これより,冬季で
明らかにされていた中緯度においては力学的応答の寄与が大きいということが,夏
季でも言えると示唆される.
 また,本研究では本間.2011で用いられた有意検定に改良を加え,さらにRMMindexと
BSISO index を用いた降水量変動のコンポジット解析に違いが生じた原因を検討した.
 今後はQベクトルを現象に沿って分解し,鉛直流変動が生じる要因を明かにしたい.

-----
連絡先

北海道大学大学院 環境科学院
地球圏科学専攻 大気海洋物理学・気候力学コース
池川慎一
E-mail:Ishinichi@ees.hokudai.ac.jp