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第 202 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2008年 11月 10日(月) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 A棟 803号室
発表者:土門 優介(大気海洋物理学・気候力学コース M2)
題 目:熱帯対流圏界層脱水過程の研究に対するデータ同化の応用
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熱帯対流圏界層脱水過程の研究に対するデータ同化の応用 (土門 優介) 発表要旨 :
成層圏水蒸気量を規定する脱水過程として熱帯対流圏界層(TTL)における 水平移流の重要性(Holton and Gettelman, 2001)が指摘されて以来、多くの 理論的・観測的解析が進められてきた。Hasebe et al. (2007)は、ゾンデ観測 された水蒸気混合比と流跡線解析により評価された大気塊の最小飽和水蒸 気混合比との比較によりTTL脱水効率を議論した。しかし、ここで用いられた 客観解析場にはサブグリッドスケールの現象が表現されておらず、非断熱放 射加熱の評価も困難である。本研究では、AGCMに客観解析値をデータ同化 することにより、非断熱加熱やサブグリッドスケールの対流による寄与を評価 しながら、高分解能で流れ場を解析することにより、流跡線計算の高精度化 を目指す。 データ同化は数値予報に高精度の初期値を提供する必要性から発展してき たが、本研究では、多くのデータ同化とは異なりAGCMに客観解析場を同化 する。そのため、まず、代表的な同化手法を比較しそれぞれの手法の特性 を調べる必要がある。用いるモデルはCCSR/NIES/FRCGC AGCM ver. 5.7b で、地球環境フロンティアにおいて実施された同化実験の結果を解析する。 今回は、一つのフリーランを真値と仮定し、真値の周りにランダムに分布する 観測値をナッジングによって同化した完全モデル実験結果の解析結果につ いて報告する。 今後は、他の同化手法について同様の解析を進めるとともに、現実大気塊を 同化させた場合の解析も行い、流跡線計算の高精度化にデータ同化がどの ような貢献をするのか明らかにしたい。
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