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第 193 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2007年 11月 5日(月) 午後 15:30 〜 18:00
場 所:地球環境科学研究科 A棟 講堂
発表者:内藤 智志 (大気海洋物理学・気候力学コース M2)
題 目:北海道・道東地方における初冬の降雪増加傾向に関する考察
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北海道・道東地方における初冬の降雪増加傾向に関する考察 (内藤 智志) 発表要旨 :
北海道・道東地方は、少雪厳寒であるため土壌凍結地帯として知られている。 しかしここ数年、顕著な凍土深の減少傾向が報告されている。一見これは農業 にとって好影響であると思われがちであるが、現実には厄介な問題も起きてい る。 Hirota et al.,(2006)ではこの凍土深の減少について、初冬の積雪深の増 加により地表面が断熱されることが直接の原因であると述べている。 ではなぜ積雪深が増えたのであろうか。 そこで道東地方における初冬(12月)の降雪について調べたところ、1980年代か ら顕著な増加傾向にあることがわかった。 そこで本研究では、この初冬の降雪増加傾向について、主に低気圧の経路、活 動度という点から考察した。北海道の降雪は主に冬型の気圧配置により、大陸 側から空気が流れ込んでくることにより起こるが、この地方では主に移動性の 低気圧の到来により起こるとされている。その低気圧の活動の経年変動につい てストームトラックを用いて調べたところ、第一主成分により日本付近で初冬 に低気圧経路が南下している傾向があり、道東の降雪増加と大きな関係がある ことが示唆された。
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