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第 134 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2002年 6月 17日(月) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 C棟 C104
発表者:江川 晋子 (気候モデリング講座 D2)
題 目:夏季アジアモンスーンの年々変動に関する先行シグナル(レビュー)
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夏季アジアモンスーンの年々変動に関する先行シグナル(レビュー) (江川 晋子) 発表要旨 :
アジアモンスーンは、ユーラシア大陸と周辺海洋間の温度差 により引き起こされる、大規模な大気循環系・水循環系である。 アジアモンスーンには、夏季と冬季で循環パターンがほぼ逆転する という、はっきりした季節変化が見られる。またモンスーン域における 降水量や循環場には、季節変化だけでなく年々変動が見られることが 知られている(Webster and Yang,1992)。 夏季循環の強弱に伴い、その前の冬・春にも循環場に逆パターンの 偏差が現われることが、コンポジット解析、モデル実験の結果から 指摘されている。その代表的なものが亜熱帯域の200hPaにおける 偏西風(以下、U200)である。夏季循環の弱い(強い)年には、その前の 冬・春のU200が強化される(弱くなる)。U200の他にも、高度場、温度場 などに逆パターンの偏差が現われるとされており(Yang and Lau,1996など)、 先行シグナルと呼ばれている。 中でもU200は、広範囲で12〜5月にわたって見られる (Webster and Yang, 1992)ため、モンスーン予報の観点から重要であると言われてきた。 先行シグナルのメカニズムに関しては熱帯太平洋SSTや局地的な地表面過程 によって引き起こされることが示唆されている(Yang and Lau,1998)。 今回は以上のような夏季アジアモンスーンの先行シグナルに関する研究の レビューを行なう。
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