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第 130 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2001年 12月 17日(月) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 C棟 C104
発表者:勝又 勝郎 (極域大気海洋学講座 研究員)
題 目:強い潮汐流と海底地形の相互作用による内部波の発生
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強い潮汐流と海底地形の相互作用による内部波の発生 (勝又 勝郎) 発表要旨 :
内部潮汐波の生成機構について解析的な手法を用いて議論する。線形理 論でありながら強い潮流の効果を取り入れ、内部潮汐波の生成に本質的 な移流の効果を明らかにした Hibiya (1986) の理論を紹介する。これ は、流れに乗った座標(特性曲線)にそって波を追いかけることによっ て、海底地形の効果を elementary wave という形で捕らえることを可 能にした。 この Hibiya (1986) の理論の拡張を二題紹介する。一つは、潮汐残差 流の発生である。波の移流は潮流と内部波の位相速度の和になるが、こ の速度は地形に対して非対称であるため一潮汐周期平均しても、残差流 が残ることが示される。従来の潮汐残差流生成の説明は渦度バランスで 議論するものであったが、この理論は渦度が意味を持たない幅の狭い海 峡における残差流の発生も説明する。もう一つは地球回転の効果を加え た場合である。この場合ケルビン波とポワンカレ波という二種の波が発 生するが、内部波のほとんどのエネルギーはケルビン波によって伝播す ることが示される。
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