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第 123 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2001年 11月 7日(水) 午後 17:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 C棟 C104
発表者:本木 敦 (大循環力学講座 M2)
題 目:小スケールの風の場によってβ平面上に生じる海流とその安定性について
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小スケールの風の場によってβ平面上に生じる海流とその安定性について (本木 敦) 発表要旨 :
本研究では、小スケールの風の場について考える。小スケールの風の場が、現実 の海洋において重要か、ということについては、Xie et al.(2001:Science)があ る。彼らは、北東貿易風がハワイ諸島に衝突することにより、小スケールの風の curl が生じ、それが Qiu et al.(1997:JPO)により見出された Hawaiian Lee Counter Current(HLCC)を生み出しているのではないかと主張している。しかし、 Xie et al.(2001:Science) のような小スケールの風の場で駆動される海流にど のような挙動・役割があるのかを議論した研究例は少ない。 そこで、本研究では風の場の南北スケールを変えたときに生じる海流に着目する。 すなわち、風のスケールによって生じる流れがどのように異なるか、そしてそれ に対し傾圧不安定や順圧不安定がどのような役割を果たしているのかを明らかに することを目的とする。 本研究では、3層の準地衡流渦度方程式を解くモデルを用いる。モデルは、東西 に長く南北に短いものを考える(例えば、東西 2000km、南北 500km)。グリッ ドは十分に細かくする(例えば 5km )。モデルは風の curl による Ekman Pumping (w_e)で駆動する。そして、変形半径スケールから数 100km まで、そ の南北スケールを変えて、いくつかのケースの実験を行う。 今回の発表では、モデルの説明、そのテスト、更にフォーシングの与え方等につ いて説明したい。
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