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第 118 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2001年 10月 29日(月) 午後 16:30 〜 17:30
場 所:地球環境科学研究科 C棟 C104
発表者:森田 格 (気候モデリング講座 M2)
題 目:チベット高原とその周辺域における水蒸気輸送と総観場の関係
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チベット高原とその周辺域における水蒸気輸送と総観場の関係 (森田 格) 発表要旨 :
チベット高原は海から離れた内陸に存在し、その平均標高は4000m以上 に達する。そしてモンスーン期、チベット高原はその標高の高さから、対流圏 中層を効率良く加熱し南北気圧傾度を強め、モンスーン循環を強めていると考 えられている。加熱の方法は地表面からの顕熱による加熱と、積雲が発達して もたらす潜熱による加熱である。Yanai and Li (1994)によると、モンスーン 期間中チベット高原の東部では潜熱による加熱が全加熱量の大部分を占めてい ることが示され、このことからチベット高原上の雲の生成や降水が重要である ことがわかる。しかしここでの疑問は、なぜチベット高原のような標高が高く 内陸に存在する水蒸気の少ない場所で雲生成、そして降水といった現象が起き るかである。Yatagai and Yasunari(1998)では総観規模の擾乱に伴う流れが、 高原の外側から高原上へ水蒸気を輸送していること、Kuwagata et.al (2001) では高原内の山谷循環が降水をもたらしていることを示唆しているが、そのメ カニズムは良く分かっていない。 そこで今回の発表では、高原上の大気に水蒸気が運ばれる様子を、総観場の変 動に着目して紹介する。
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