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第 96 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2000年 11月 27日(月) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 管理棟 2階講堂
発表者:大畑 めぐみ (気候モデリング講座 M2)
題 目:炭酸カルシウムの溶解に注目した海洋堆積過程に関するモデリング
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炭酸カルシウムの溶解に注目した海洋堆積過程に関するモデリング (大畑 めぐみ) 発表要旨 :
過去の地球環境の指標として,海底コアや氷河などに残った試料の分析が行 なわれている.南極やグリーンランドの氷河に閉じ込められた気体の分析に よると,氷期の大気中の二酸化炭素は産業革命以前よりも30%低かったと示し ている(Neftel,A.,1988)が、そのメカニズムはまだ分からない.一つの説と して海洋の化学的特性の変化が挙げられている.大気海洋間では化学平衡に おいて二酸化炭素のやり取りが行なわれており,海洋のその収支への寄与は 他のリサーバーに比べはるかに大きい.従って,氷期の二酸化炭素の低下も, 海洋によるもので,特に海洋のアルカリ度の変化,すなわち無機態の炭酸系 物質の濃度の変化によるのではないかと考えられている(Edward A.Boyle,1988). 氷期間氷期の数万年の時間スケールでは,海洋中のアルカリ度の変化には主 に炭酸カルシウムの溶解による炭酸イオン濃度の変化が影響する.特に,堆 積層内のバクテリアの生物活動による炭酸カルシウムの溶解は海水へ全炭酸 として拡散を起こし,数万年に渡って海洋のアルカリ度を変化させ,その役 割は大きいと考えられている(Archer,1991). 従って,炭酸カルシウムの溶解による物質拡散がどの程度に海洋へ影響を与 えるかを考えるためには,より再現性のある堆積過程のシミュレーションが 重要であり,本研究はそれを目的としている. 今回は,堆積過程の海洋への役割を時間スケールで見積もった結果について 発表する予定です.
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