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第 69 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ

日 時:2000年 5月 15日(月) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 管理棟 2F 講堂

発表者:江口 菜穂 (大循環力学講座講座 D1)
題 目:UARS MLSデータを用いた上部対流圏水蒸気量分布の解析

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UARS MLSデータを用いた上部対流圏水蒸気量分布の解析 (江口 菜穂) 発表要旨 :

  上部対流圏の水蒸気量(Upper Tropospheric Humidity : UTH)は微量であるに 
 もかかわらず、大気の温室効果に大きく寄与している。だが、一般的なゾンデ 
 観測では正確な測定ができないことや全球規模での観測が十分でないなどの理 
 由から、その時空間的な分布はよくわかっていない。しかし近年、UTH の重要 
 性が指摘されるようになり、衛星による全球観測が試みられている。 
  1991年に打ち上げられた人工衛星 Upper Atmosphere Research Satellite 
 (UARS) に搭載されている Microwave Limb Sounder (MLS)は、マイクロ波を用 
 いて大気周縁を観測する測器で、雲の影響が少ない。このため、今まで困難と 
 されていた UTH を全球規模で見積もることが可能となった。 
  修士論文では、UARS MLS UTH データを用いて、全球規模での UTH の時空間 
 的な変動特性や SST、OLR (Outgoing Longwave Radiation) との関係、UTH の 
 南北輸送などの解明を行った。 
  
  今回の発表は、主に修士論文で行った解析結果を述べる。また論文では扱わ 
 なかった定量的な見積もりについて紹介する。さらに UARS MLS と ECMWF の 
 水蒸気データの比較結果についても話をする予定である。 
  
  

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連絡先

稲津 將 / 西浜 洋介 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻大循環力学 / 気候モデリング講座
mail-to:inaz@ees.hokudai.ac.jp / Tel: 011-706-2298