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第 104 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2000年 12月 25日(月) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 管理棟 2階講堂
発表者:星野 圭志 (気候モデリング講座 M2)
題 目:ボックスモデルを用いた最終氷期以後の北極海の淡水・熱収支
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ボックスモデルを用いた最終氷期以後の北極海の淡水・熱収支 (星野 圭志) 発表要旨 :
北極海は周囲を大陸に囲まれ淡水流入が豊富で、かつ海面を海氷が 覆っている特殊な閉鎖系極海である。その水はべーリング海や河川、 降水などを源とし、カナダ多島海やグリーンランド海を経て大西洋方 へ出て行くというかたちをしている(Aagaard & Carmack,1989)。 その流れの先は言わずと知れた海洋深層大循環の沈み込み域である。 つまり北極海から出て行く水や氷の量や性質は海洋大循環、果ては地球 の気候に影響を与えると言われている。 もしそうなのであれば暖かい時代には流出水は沈み込みを活発にする ような状態であったはずであり、寒い時代には逆の状態になっていた はずである。そこで過去の環境をネタにそれを具体的に示そうと考える。 その舞台として過去一万年間で最も暖かかったといわれている完新世 初期9000年前から6000年くらい前、逆に極端な寒かった18000年くらい前の 最終氷期を選んだ。そしてボックスモデルでの北極海の状況(氷の厚さ、 塩分濃度)の見積りを通して当時の淡水・熱収支の様子を推定し、現在と 比較、検討をしていく。
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