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第 101 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2000年 12月 11日(月) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 管理棟 2階講堂
発表者:江川 晋子 (気候モデリング講座 M2)
題 目:夏季アジアモンスーンの年々変動に関する先行シグナルについて
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夏季アジアモンスーンの年々変動に関する先行シグナルについて (江川 晋子) 発表要旨 :
アジアモンスーンは、ユーラシア大陸と周辺海洋間の温度差 により引き起こされる、大規模な大気循環系・水循環系である。 アジアモンスーン域では、夏季と冬季において循環パターンが ほぼ逆転するという、激しい季節変化が現われる。モンスーン域 における降水量や循環場は年々変動していることが知られている (Webster and Yang,1992)。循環の弱い夏季モンスーンに先行する 冬・春には、亜熱帯域の200hPaにおける偏西風が強化される。逆に、 循環の強いモンスーンに先行する冬・春には、200hPa面の偏西風は 弱くなる。この200hPaにおける偏西風の変動は、先行シグナルと 呼ばれる。先行シグナルは、広範囲で12〜5月にわたって見られる (Webster and Yang,1992)ため、モンスーン予報の観点から重要で あると言われている。先行シグナルのメカニズムに関しては熱帯 太平洋SSTや局地的な地表面過程によって引き起こされることが 示唆されている(Yang and Lau,1998)。 ところが、先行シグナルについての研究にはまだ不十分な点が 残っているように思われる。まず、先行シグナルは合成図で表さ れることが多い。よって各年についてはどの程度はっきりと見ら れるものなのか分からない。また、先行シグナルのメカニズムに ついてはまだはっきりしない点があり、本当にモンスーンと関係 しているのか、議論の余地がある。熱帯太平洋SSTやモンスーン 強度指標との関連を詳しく調べる必要があると思われる。さらには、 モンスーンの年々変動に伴ない、先行シグナルの出方に違いが見ら れるのか、つまりモンスーンが弱い年には200hPa面における偏西風 は常に強化されるのかといった点もよく分かっていない。 そこで本研究では、先行シグナルについての検討を行なうことを 目的とし、NCEP再解析データを用いて解析を行なった。解析期間は 1948-99年である。まずWebster-Yang indexに基づいて、夏季モン スーン循環の強い年、弱い年を定義し、それぞれについて200hPa面 における水平風のコンポジットをとった。以後は先行シグナル領域 を定義し、先行シグナルの有意性について検討していく予定である。
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