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第 48 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ

日 時:1999年 11月 15日(月) 午後 4:30 〜 6:30
場 所:地球環境科学研究科 管理棟 2F 講堂

発表者:稲津 將 (気候モデリング講座 M2)
題 目:対流圏の亜熱帯ジェットの形成とストームトラック

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対流圏の亜熱帯ジェットの形成とストームトラック (稲津 將) 発表要旨 :

 前回は特に対流圏の亜熱帯ジェットの形成に関して、熱帯の海面水温の東西分布が中緯 
 度の海陸分布に伴う非断熱加熱の影響よりも大きいことをレビューとともに示した。 
  
 今回は、次の3点に注目した解析、実験を行った結果を紹介し、修士論文の中間発表を 
 締め括る予定である。 
  
 1、運動方程式のバランスから見た偏西風ジェットコアの形成の 
 メカニズムを解明する。 
 2、1に関連してストームトラックの効果を診断するEベクトル 
 とはどのようなものかを考察する。 
 3、2に関連してストームトラックの位置と偏西風ジェットコア 
 の位置は一体どのような関係にあるのかを見る。 
  
 [1] 時間平均流方程式において、ジェットの出入り口では、uux=fvaというバランスが成 
 り立っていることが古くから知られている(Blackmon, 1977) 。 南北流の非地衡成分で 
 ある va はジェットの入り口付近ではハドレー循環が中緯度まで延伸していることによ 
 るもので、出口付近ではストームトラックなどの移動性渦による間接循環であるという 
 説明がなされている。しかし、今回のモデル実験では、その説明が適応できないような 
 場合が結果としてでてきた。 
  
 [2] さて、Hoskins ら (1983) は [1] における移動性渦の平均流に対する作用を診断す 
 るためにEベクトルを提案した。低周波と高周波成分に別けてEベクトルは、それぞれ 
 定性的に平均流を加速減速することを示した。しかし、定量的にはdivEはuuxより小さ 
 く移動性渦が平均流を形成するとは思えない。移動性渦の効果をフラックスに押し込め 
 る方法も納得できず、その点を含めた議論を展開する。 
  
 [3] 総観規模擾乱の周期帯を炉波した高度の標準偏差の極大部分で定義されるストーム 
 トラックは偏西風ジェットコアの下流の極縁に存在している。しかし、この位置は必ず 
 しもこのように決まっているとは限らない。境界条件が変わればストームトラックの位 
 置は変わる。現在この点に注目した解析を行っているが、ストームトラックの位置は、 
 中高緯度の定在波動の振幅、波数によっていると思われる。中高緯度の定在波動は中高 
 緯度の波数2の山岳を励起源とする方が好まれる。このような解析は [2] に於ける移動 
 性渦が平均流の形成に効果を及ぼさないという推論を支持している。 
  
 以上、今回のBコロで行う内容は、日本気象学会秋季大会(11/26;福岡)  
 のポスターセッションの内容である。 
  
 また、発表にあわせたレジュメが用意されています。 
  
 次回の発表者   

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連絡先

伊藤 頼 / 谷口 博 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻大循環 / 気候モデリング講座
mail-to:yori@ees.hokudai.ac.jp / Tel: 011-706-2357