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第 42 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:1999年 10月 4日(水) 午後 4:30 〜 6:30
場 所:地球環境科学研究科 管理棟 2F 講堂
発表者:奥村 夕子 (大循環力学講座 M2)
題 目:熱帯大西洋の海面水温と大気循環場の変動
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熱帯大西洋の海面水温と大気循環場の変動 (奥村 夕子) 発表要旨 :
大西洋で見られる準10年周期の気候変動は、大気と海洋、熱帯と中高緯度の間でどのよ うに影響を及ぼしあっているのだろうか。まず、そのプロセスの1つである熱帯大西洋の SST dipoleに対する大気の応答を、大気大循環モデル(AGCM)を用いて調べた。 年平均場のアノマリーについてみると、SSTアノマリーが正の領域では貿易風が弱まり、 負の領域では強まるというWES(Wind-Evaporation-SST)フィードバックを支持するような 風のパターンが得られ、風の収束・発散の変化に伴い降水帯が南北に移動する様子も見 られた。海面気圧のアノマリーは、観測と同じく、SSTアノマリーよりも高緯度側に中心 を持つdipole型のパターンを示すのだが、高度場の鉛直構造についてみると、熱帯では 下層と上層で位相が逆の傾圧構造を、熱帯外では順圧構造をなしている。また、WESフィ ードバックに加え、下層雲の変化が海面での熱収支に重要な役割を果たしていることも わかった。 SSTアノマリーの振幅は季節を通して一定に設定しているにも関わらず、それに対する大 気の応答は、基本場の季節変化に伴い比較的はっきりとした季節変化を示した。このア ノマリーの季節性は、特に熱帯・亜熱帯域において顕著である。 北半球冬期の大気循環場のアノマリーは、NAOに良く似たパターンを示したが、内部変動 の振幅が非常に大きいため、有意水準は低い。過去の研究から示唆されているように、 熱帯の熱源の変動に対する中高緯度大気の応答は、現れやすいパターンの出現確率が変 わるといったかなり緩やかなものであろう。しかし、AGCMの強制力に対する応答の再現 性や、中高緯度における大気と海洋のローカルフィードバックの効果についても再考す る必要がある。 今後は熱帯大気の応答を、熱的構造や雲の効果等について更に詳しく調べるとともに、 大西洋の中高緯度域でAGCMに混合層モデルを結合させ、中高緯度での大気海洋相互作用 の役割について考察するつもりである。 次回の発表者 西浜 洋介 (気候モデリング講座) (10/6)
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