第6回 大気海洋物理系 B 棟コロキウムのお知らせ
日 時:1998年 6月 15日(月) 午後 4:30 〜 6:30
場 所:地球環境科学研究科 管理棟 2F 講義室
発表者:増田 良帆 (気候モデリング講座 D1)
題 目:北太平洋10年周期振動における curlτ=0 ラインの南北移動の効果
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発表要旨:
1980年代の後半から北太平洋の海面気圧場(SLP)や海面水温場(SST)につ
いて、長期変動に関する詳しい解析が行われ、10年ー数10年スケールの変動が
存在することが明らかにされた。SSTについては、1976年以降、太平洋中央部
の楕円状の領域で低下し、それを取り囲むような北米沿岸の領域で上昇したこ
とが見いだされている。
さらにDeser(1996)などによって海表面だけではなく内部についても解析が
行われ、同様の10年ー数10年スケールの変動が存在することが明らかにされた。
太平洋中央部の1976年以降の低温化については、偏西風の強化に伴う変化と
して考えられる。しかし、何故北米沿岸が高温化したのかという事については
良く判っていない。
これについて、偏西風の強化に従って curlτ=0 ラインが南下し、それによっ
て亜熱帯循環から亜寒帯循環へ水塊が移動するというメカニズムで説明するこ
とを考えている。
今回の発表は、10年ー数10年スケールの変動についてのレビューを中心とし て、研究の指針を示すという内容になります。今までのものから領域を拡大し たモデルの結果を発表の最後に示します。
※ 次週 6/22(月)は,小高(東大数理 D3)の予定.
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連絡先
岡田直資 / 谷口 博 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻気候モデリング講座