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第13回 大気海洋物理系 B 棟コロキウムのお知らせ

日 時:1998年 9月 9日(水) 午後 4:30 〜 6:30
場 所:地球環境科学研究科 A棟 803A 講義室

発表者:斉藤 香織 (大循環力学講座 M2)
題 目:ITCZの南北非対称性に関する考え

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発表要旨:

太平洋のITCZ(SSTが極大な海の上で風が収束し、雲ができ降雨が極大である ところ)は、その強制力の太陽放射が赤道に関し南北対称に入射するにも関わ らす、年中北半球に存在する。 このITCZの南北非対称な存在については、海面熱フラックスの出入り(海洋の 熱力学)における大気と海洋のフィードバック(風速-蒸発-SST)から説明できる。 しかしなぜ北半球が選ばれるかは定かでない。なぜ北か、ということは、むし ろ南半球(南米沖)での冷水の湧昇(海洋の力学)と、大気安定度との間のフィー ドバックが有効であると考えられる。 修士論文では、熱帯の海洋をシンプルな1.5層で表わし、これまで別個に研究 されてきた海洋の力学と熱力学を統合した海洋モデルと、大気GCMとを結合し、 熱帯太平洋のITCZの北偏在にあるメカニズムを考察する。 今回の発表では、海洋モデル(Zebiak-Cane modelを変更したもの)について説 明し、湧昇水温や海上風に、LevitusやCOADSのデータを投入して実験した結果 を示す。また、大気の安定度の考察として、安定度がその下の陸面積によると 仮定して、大気GCMで海陸分布を理想化した実験についてお話しする。

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連絡先

岡田直資 / 谷口 博 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻気候モデリング講座

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