第10回 大気海洋物理系 B 棟コロキウムのお知らせ
日 時:1998年 7月 13日(月) 午後 4:30 〜 6:30
場 所:地球環境科学研究科 管理棟 2F 講義室
発表者:笹井 義一 (気候モデリング講座 D2)
題 目:北太平洋における大気・海洋CO2フラックスの季節変化
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発表要旨:
大気と海洋との間のCO2フラックスは、主にガス交換係数と大気と海洋との 間のCO2分圧差によって決まる。海洋表層中のpCO2は、大気中のpCO2に比べて 季節変化が大きいし、海域によっても大きく異なるので、大気と海洋との間の CO2フラックスも季節によって変化する。
本研究では、海洋表層中のpCO2が季節的にどのように変化するかを鉛直一次 元の混合層モデルを用いて再現し、大気と海洋との間のCO2フラックスの見積 りを行なった。モデルの初期値は、WOA94の水温・塩分を,モデルの駆動力と して大気客観解析データ(ECMWF&NCEP/NCAR)をそれぞれ用いて、1994年10月1 日〜1995年9月31日の一年間計算した。ただし、混合層内の全炭酸濃度の時間 変化は、海面を通してのCO2交換する項と混合層以深との混合により供給され る全炭酸の項と生物生産による項で表される。また、pCO2を変動させる炭酸ア ルカリ度の時間変化は、混合層以深との混合による項と生物生産による項で表 している。生物生産の効果は、時間によって変化する式で仮定して、ある時間 で 1/eになるように置いた。
今回の発表では、生物生産を簡単な式で仮定して計算した結果と、仮定した 式の中で 1/e になる時間を変えた場合の結果について紹介します。
# 前期最終回の発表です. 後期は 8/31 から開始予定. 9月からは M2 中間発 表を中心に行ないます.
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連絡先
岡田直資 / 谷口 博 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻気候モデリング講座