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第 1 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウムのお知らせ

日 時:1998年 4月 20日(月) 午後 4:30 〜 6:30
場 所:地球環境科学研究科 管理棟 2F 講堂

発表者:大橋康昭 (気候モデリング講座 DC2)
題 目:ユーラシアパターンの変動と活動度フラックスを用いた解釈

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ユーラシアパターンの変動と活動度フラックスを用いた解釈 (大橋康昭) 発表要旨 :

  Wallace and Gutzler(1981) によって見出されたテレコネクションパターン 
 のうち,ヨーロッパから日本を含む東アジアにかけて見られる波数約3のユー 
 ラシア(EU)パターンは,変動中心の一つが日本付近に存在し日本の冬季の気候 
 に影響するとともに,北半球冬季の循環場の変動に対して重要な役割を担うこ 
 とが予想される. 
  本研究では,EUパターンの変動と定常波の活動度フラックスとの関係について 
 NMC客観解析データ(1979-1994)を用いて解析を行った.その結果,1988/89年 
 の冬季を境にしてEUインデックスの符号が正から負に逆転していることがわかっ 
 た.また,同時期に極渦の強化もみられた. 
  EUパターンのメカニズムについて詳細に調べるために,定常波の活動度フラッ 
 クスを計算したところ,EUインデックスの符号の違いによって,ロスビー波の 
 伝播方向に特徴的な違いがみられた. 
  そこで,ユーラシア大陸上のロスビー波の変動について明らかにするために, 
 活動度フラックスに対してEOF解析を行った.その結果,EUパターンと関連し 
 た2つの卓越モードが検出された.第1モードは極域高度場の変動と結び付いた 
 1988/89年冬季の大気場のシフトに対応しており,第2モードはNAO,PNAといっ 
 た他のテレコネクションパターンと関連したモードであった. 
   両モードの活動度フラックスの構造について,Held(1983)によるロスビー波 
 の子午線方向の伝播理論を用いて考察した.コンポジット解析の結果,EOF第1 
 モードスコアの上位月では50N-55N付近で波数3の波は子午線方向に伝播可能な 
 のに対して,下位月では子午線方向には伝播できないことがわかった.この結 
 果は,EOF空間パターン構造と一致する.さらに詳しい解析により,子午線方 
 向の帯状風プロファイルが伝播特性に寄与しており,活動度フラックスの構造 
 を説明できることが確認された. 
  また,気象庁データを用いたEUパターンの長期変動,SSTとの関係についての 
 解析結果もお話しする予定である. 

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連絡先

岡田直資 / 谷口 博 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻気候モデリング講座
mail-to:taniro@ees.hokudai.ac.jp / Tel : 011-706-2372