作図の方法は、いくつかのソフトによってすることが出来る。ここの専攻では、DCL(地球流体電脳ライブラリ, Dennou Club Library)やGrADS(The Grid Analysis and Display System )が用いられている。
前者はfortranのサブルーチンの集まりであり、日本の大気海洋分野の研究者に広く用いられている。世界的にはNCAR Graphics(DCLより古くから使われてきたが有料化を機会に日本ではDCLに取って代わられた)などがある。fortranのサブルーチンを組み合わせてゆくので、はじめは取っつきづらいが、作図作業がある程度繰り返しにあると、むしろ便利になるという点もある。また、Postscript形式で出力されるので、他のソフトに読み込んでさらに加工するなどが出来る。
後者はすぐに見ることが出来る利点があるが、基本的にはモデルや客観解析データなど格子データを取り扱うことを前提としている。対話型で作図するが、コマンドを並べたマクロを書くことで操作の繰り返しにも対応している。
いわば、前者はLaTeXであり、後者はMicrosoft Wordのようなイメージであり、それぞれ一長一短である。言ってみれば「ハサミの達人」になるか「カッターの達人」になるか、その両方を使いこなすかと言うことになる。
地球流体電脳倶楽部のホームページにある地球流体電脳ライブラリ (Dennou Club Library, DCL) のドキュメンのひとつである入門書 「ごくらくDCL」で自習できるので、ここでは、概念的なことについて簡単に説明する。ちなみに、DCLは無料で使えるソフトであるが、DCLを利用して作図した図を論文に掲載する場合などは利用したことを明記することが推奨されている。
サンプルプログラム (ex101.f)[galapen@smpc2 ~]$ dclfrt ex101.f f77 -O -w ex1.f -L/usr/local/lib -L/usr/X11R6/lib -ldcl52f77 -lSM -lICE -lX11 -l m |
[galapen@smpc2 ~]$ ./a.out Workstation ID ? 1:X, 2:PS, 3:Tek ; 1 *** MESSAGE (SWDOPN) *** GRPH1 : STARTED / IWS = 1. *** WARNING (STSWTR) *** WORKSTATION VIEWPORT WAS MODIFIED. *** MESSAGE (SWPCLS) *** GRPH1 : PAGE = 1 COMPLETED. *** MESSAGE (SWDCLS) *** GRPH1 : TERMINATED. |
[galapen@smpc2 ~]$ ./a.out Workstation ID ? 1:X, 2:PS, 3:Tek ; 2 *** MESSAGE (SWDOPN) *** GRPH1 : STARTED / IWS = 2. *** WARNING (STSWTR) *** WORKSTATION VIEWPORT WAS MODIFIED. *** MESSAGE (SWPCLS) *** GRPH1 : PAGE = 1 COMPLETED. *** MESSAGE (SWDCLS) *** GRPH1 : TERMINATED. [galapen@smpc2 ~]$ ghostview dcl.ps |