はじめての放射線計測
半減期
放射性壊変は確率的な事象で、人為的に制御することができない。
この事情は、投げた硬貨の表裏を制御することができないのと全く同じである。
壊変により放射性核種が元の量の半分になるまでに要する時間を半減期という。
- 壊変による放射性核種の減少:
放射性壊変が確率的事象であるということは、単位時間に崩壊する原子核の数 (- dN) が、現存する原子核の数 (N) に比例することを意味する。
その比例係数を k とすれば、dN = - kN dt。
この微分方程式の解は N(t) = N(0) exp[-kt]。
したがって、放射性核種の数は、時間とともに指数関数的に減少する。
- 半減期:
時刻τに放射性核種が元の量の半分になったとすれば、N(τ) = N(0)/2。
すなわち、N(0) exp[-kτ] = N(0)/2。
これをτについて解けば、τ = (ln2)/k。
これを半減期という。
半減期は核種により異なり、ヨウ素131 (I-131) は 8 日、Cs-137 は 30 年、ラジウム226 (Ra-226) は 1,600 年、プルトニウム239 (Pu-239) は 2.41 万年である。
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