熱帯気象研究会 2009

本研究会の趣旨

熱帯域は、地球と宇宙との放射エネルギー収支の観点で最大の入力域であり、このエネルギーが熱帯気象によっていかに分配されるかは、地球大気の循環に大きな影響を及ぼす。また同時に、赤道域は、激しい対流活動を通じて、対流圏を超え遥か上空までの大気の上下結合にとって重要な役割を果たす。しかしながら熱帯気象においては、湿潤対流が主役となるため、中緯度の大気力学のような線形理論を主軸とする理論体系が整っていない。一方、大循環モデルのような全球数値モデルの手段においても、湿潤過程の表現法が確立していないため、熱帯域の気象を現実的に再現すること自体が大きな課題となっている。

熱帯気象学には、たとえば、メソスケール対流システム、台風、積雲対流と結合した赤道波擾乱、Madden-Julian振動、そしてそれらのマルチスケール相互作用などその仕組みと役割についてなど、大変興味深い問題が未解明に残っている。一方で、衛星観測の多様化とデータの長期蓄積、赤道域観測網の充実、全球雲解像モデルの成功、また、大循環モデルにおける新しいパラメタリゼーションなど、熱帯気象学の道具立ては近年大変充実してきた。

そこで、大学関係者が幹事となって湿潤対流を主とした熱帯気象の理解を深めることを目的に年に1回程度の頻度で一堂に会し、最新の研究成果をじっくりと発表議論する熱帯気象研究会を立ち上げる。ここにおいては、プロジェクトとは一線を画した科学的な議論の活性化を目指す。また、この研究会をひとつの足がかりとして若い研究の芽が育つことを期待する。

研究会は2日程度とし、基本的に一人30分以上の発表議論時間を確保する招待講演でプログラムを組むが、幹事会の話し合いによって柔軟に対応する。

幹事(五十音順): 佐藤正樹(東大)、里村雄彦(京大)、重尚一(大阪府大)、高薮縁(東大)、寺尾徹(香川大)、西憲敬(京大)、堀之内武(北大)、増永浩彦(名大)、松本淳(首都大)

プログラム

29日

休憩

小休憩

30日

休憩

昼食

休憩

小休憩

ポスター発表者のみなさんへ

ポスターボードは横115cm, 縦175cmです.鋲は各自持ち込んでください.