2014年度の修士課程学生受け入れについて

(内部向け募集要項−2014年6月)

受け入れ可能数:
2名

研究活動・興味:

私は大学院生時代から現在まで、インドネシアでのオゾンゾンデ
定常観測に継続的に取り組んでいます。 観測データの再処理・
品質管理を地道におこなってきています。院生時代には、こうして
得られたデータにもとづいて、エルニーニョに伴う大森林火災に
より対流圏オゾンが増大する広域大気汚染問題、および、赤道
ケルビン波という熱帯特有の大気波動にともなう成層圏オゾンの
対流圏への輸送過程について研究しました。ここから、「熱帯
対流圏界面領域の大気科学過程」と「気候変動の観測」という
ふたつの大きな研究テーマを得て、その後発展させてきています。

「熱帯対流圏界面領域の大気科学過程」については、主にSOWER
という日本主導の国際プロジェクトの枠組の中で、オゾン、水蒸気、
雲粒子、気温、風、乱流等の現場観測をおこないながら、理解を
深めてきました。また、様々な全球気候モデルも利用してきてい
ます。現在は「測定」という地球科学の原点に立ち返って、
水蒸気と雲粒子の新しい測定器の開発に力を入れています。
熱帯対流圏界面領域は、対流圏の大気が成層圏へ入る主要なルート
であり、成層圏大気の初期条件を決める大事な領域です。また、
熱帯気象学とも密接な関係をもった領域です。大気科学の全要素
(力学、輸送、光化学、微物理、放射)が絡み合った難しくて
とても面白い領域です。

「気候変動の観測」については、上述した新しい測定器開発をおこ
なうとともに、ふたつの国際的な観測ネットワーク(南半球
オゾンゾンデ観測網 SHADOZ、GCOS基準高層観測網 GRUAN)の
主要メンバーのひとりとして活動してきています。上空大気の
気候変動を正しく測定することは技術的にも国際情勢的にも容易な
ことではなく、世界の多くの人達の献身的な努力が必要です。
また、数年前から、国際的な再解析データ比較プロジェクト
(S-RIP)を提案・開始しています。世界のいくつかの気象機関が
提供している再解析データは、重要な気候データセットのひとつ
として気候変動の理解に広く利用されていますが、これまで系統
だった比較検証はあまりおこなわれてきていませんでした。
S-RIPでは、特に成層圏の各種過程に関わる診断量を中心として
(ただし対流圏・地表との相互作用現象も含みます)、世界各地
の研究者と再解析センターの人達と共同で比較検証をおこないます。

これまでに指導した学生さんの研究テーマ、出版論文(日本語の
解説記事もいくつかあります)などの詳細情報については、
以下のホームページをご覧ください。
http://wwwoa.ees.hokudai.ac.jp/~fuji/index_jp.html


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