はじめての放射線計測
専門家の助言
「いざフィールドへ」で行ったエネルギー校正は、K-60 の 1461 keV の位置に強く依存するが、このピークはそれほど明瞭な訳ではない。
エネルギー校正をもっと正確に行おうとすると、どうしても標準線源が必要となる。
可能なら、専門家の助けを借りてみよう。
- 標準線源のエネルギースペクトル:
北海道大学大学院地球環境科学研究院の渡邉豊准教授に相談したところ、Mr.Gamma A2700 で標準線源を測定させていただくことができた。
標準線源は 3 種で、1 つは混合線源 (カドミウム 109 (Cd-109); 463 keV、Cs-137; 662 keV、コバルト 60 (Co-60); 1173 keV と 1332 keV、マンガン 54 (Mn-54); 834 keV 他)、他の 2 つは Cs-137 と Co-60 の単一線源であった。
半減期の短い Cd-109 と Mn-54 は既に減衰してしまっており、スペクトルのピークを特定することはできなかったが、Co-60 の 1173 keV が unit21.4 に、1332 keV が unit 24.2 に対応することが分かった。
|
標準線源に対するエネルギースペクトル |
- 標準線源によるエネルギー校正:
不確実性の高い K-60 の利用をやめ、代わりに Co-60 の 2 本のスペクトルピークを追加して求め直したエネルギー校正直線を以下に示す。
自然放射線に基づいて求めた結果と大きく異なる訳ではないが、信頼性は向上している。
新しい校正式は E = -19.2 + 55.8 U となった。
|
標準線源を用いて求めたエネルギー校正直線 |
「専門家の助言」
Step By Step のページに戻る