はじめての放射線計測
ICレコーダによる記録
「標準信号の入力」によりせっかく定めた換算率だが、実は役に立たなかった。
それは、最適な録音状態を維持するために、パソコンが勝手にゲイン調整を行っていたからである。
ここまで、分かりやすさを優先してステップを踏んだ解説を心がけてきたが、私が InTune を使って波形を確認したのは、パルス高ヒストグラムを作図した後であった。
解釈できない結果が得られたため、波形の確認に立ち戻った結果である。
- InTune による波形表示:
「波形の確認」で示した InTune による波形は、実は、ICレコーダに録音した波形を再生しながら記録したものである。
Mr.Gamma の出力を直接パソコンに取り込んだ場合の波形は次のようなものであった。
黒い帯状に見えるのはバックグランドノイズである。
その太さに注目すると、大きなパルスの直後に細くなり、次第に太さを増している。
これは、強い信号が入力されるとゲインを落とし、静かな状態が続くと次第にゲインを上げていくという、パソコンの自動調節機能が働いているためと考えられる。
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- IC レコーダの利用:
パソコンのゲイン調節を無効にする方法が分からなかったので、ここでは Mr.Gamma の出力を一度 IC レコーダに記録し、それを小さな音で再生しながらパソコンに取り込むことにより、パソコンが常に最高感度で記録するようにして、この問題を回避することとした。
IC レコーダの使用に際しては、圧縮を行わないデータ形式で録音することに注意する。
mp3 などの圧縮形式を用いると、高周波成分が失われてパルス高が減少し、正しいエネルギーが分からなくなる可能性がある。
参考のため、私の使用した機種と設定はこちら。
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