はじめての放射線計測
放射線の起源
不安定な原子核が崩壊する際に放射線が放出される。放射線には、アルファ (α) 線、ベータ (β) 線、ガンマ (γ) 線の 3 種類がある。
原子核: あらゆる物質は様々な原子から構成されており、原子の中心には原子核がある (下図)。 原子核は、正 (プラス) 電荷をもつ陽子と、電荷をもたない中性子とから成る。 原子の化学的性質は陽子の数で決まり、それを原子番号という。 例えば、原子番号 1 は水素、2 はヘリウム、3 はリチウムである。 中性子は陽子とほとんど同じ質量をもつため、原子核が中性子を多く含めば、化学的性質は同じでも原子は重たくなる。 このような、中性子数の異なる原子を同位体という。 陽子数と中性子数の和を質量数といい、同位体を区別する必要があるときには、質量数を明示する。
放射性壊変: 原子核には、そのままの状態で安定して存在できるもの (安定同位体) と、そうでないものとがある、 安定でない原子核は、一定の確率で崩壊を起こす。 この崩壊 (放射性壊変) の際に放射線 (α線、β線、γ線) が放出される。 α線はヘリウムの原子核、β線は電子、γ線は電磁波であり、それぞれの性質は異なる。 我々が測定しようとしているγ線は、X線と似ているが、X線より波長が短い (エネルギーが高い) 電磁波である。
知っておきたい放射線のこと, 高校生のための放射線副読本, 文部科学省 (2011)より
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