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第 243 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2016/10/14(金) 16:00 -- 17:00
場 所:環境科学院 D201
発表者:舘野 愛実(大気海洋物理学・気候力学コース M2)
題 目:中緯度の対流圏上層の渦位擾乱と降水の総観規模変動の関係
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中緯度の対流圏上層の渦位擾乱と降水の総観規模変動の関係(舘野 愛実) 発表要旨 :
中緯度の総観規模の気象擾乱は主として,傾圧不安定により説明される. しかしながら,傾圧性の強さは季節変化し,夏季の傾圧不安定擾乱は冬季と 比較して弱いことが知られている. Horinouchi(2014)は,対流圏上層の渦位擾乱と下層の物理場の対応関係に 注目し,夏季の東アジアから北太平洋にかけての降水及び水蒸気輸送の総観 的な変動の要因を次のようにまとめている.上層対流圏のアジアジェットに 沿って伝播する非定常なロスビー波に伴う渦位擾乱により,対流圏界面に相 当する2PVU程度の等温位等渦位線の南縁に沿って,2次循環である上昇流が 生じ降水が強化される.また,上層の渦位擾乱は下層の流れに影響を与え, この降水強化に有利な水蒸気分布ができやすくなる. Knippertz et al. (2013)は'atomospheric river'に注目した研究で寒候期 の対流圏上層の等渦位線と下層の水蒸気量及び地上気圧の関係を示している. それらはHorinouchi (2014) で示されたものと類似した対応関係にあり,冬季 には上下層が密接に結合した傾圧不安定擾乱が発達することとも整合的である. しかしながら,寒候期における降水分布や下層の循環場などと等渦位線を統 計的に比較した研究はなく,どのような関係にあるのかは自明ではない.そこ で本研究では,通年における対流圏上層の渦位擾乱と下層の循環や降水との関 係を調査する.
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