****************************************************************************************************************
第 233 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2014/10/15(水) 15:00 -- 16:00
場 所:環境科学院 D201
発表者:添田 雅規(大気海洋物理学・気候力学コース M2)
題 目:旅客機の観測データを用いた旅客機の経験する乱気流の解析
****************************************************************************************************************
旅客機の観測データを用いた旅客機の経験する乱気流の解析(添田 雅規) 発表要旨 :
航空機の運航に重要なファクターとなるものの1つに乱気流がある。 これは航空乱気流(aviation turbulence)と言い、流体力学に おける乱流とは微妙に区別される。航空機の運航に関わる風の乱れ、 大気の流れの乱れ、航空機の受ける風の時間的変化(wind shear) の度合いによって、運航に重大な障害(機体破損、非安定運航、欠 航など)を与えるものなどを言う。この中でも特に晴天下、高度5.6 km以上の上空で発生するものを晴天乱気流(clear air turbule- nce = CAT)と呼ぶ。特徴として水平スケール10~数10km程度、持 続時間10分程度のものが多いため予測が困難であること、視認できな いためにパイロットが回避できず航空機事故が度々発生していること などが挙げられる。これまで、ジェット機の黎明期である1950年代後 半から1970年代にかけて、悪天中における乱気流の観測研究(Aiken and Lean 1973、 Endlich 1964)や、流体実験による研究 (Atlas et al 1970)など、様々な実態解明についての研究が行 われてきた。近年では、レーダーによる乱気流検出(Browning et al 1997)による研究なども行われており、現在の航空の安全に大 きく貢献している。しかし、現在でもCATに関しては課題が多いと言 える。そこで本研究では、これまで行われてこなかった民間旅客機の 観測データを用いて、CATの発生する地域的、季節的特徴に主眼をお いて統計的に危険な空域や気象条件を調べることとする。今回の発表 では、統計的解析をするにあたり前段階として行っている事例解析の うち、冬季ユーラシア大陸上空のフライトデータをもとに行った解析 について述べる。
-----
連絡先