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第 201 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2008年 11月 10日(月) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 A棟 803号室
発表者:西村 隆(大気海洋物理学・気候力学コース M2)
題 目:CMAQを用いた石狩平野における対流圏オゾン変動に関する研究
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CMAQを用いた石狩平野における対流圏オゾン変動に関する研究 (西村 隆) 発表要旨 :
対流圏オゾンは、温室効果ガスとして地球温暖化に寄与するだけでなく、 光化学スモッグの主成分である光化学オキシダントとして 人間の健康や植生に悪影響を及ぼす気体である。 都市大気中においては、化石燃料の燃焼により発生する 窒素酸化物(NOx)や非メタン炭化水素(NMHC)の光化学反応によって生成され、 オゾン生成量はそれぞれの濃度や両者の比に対して複雑に応答する。 田中(修士論文 2005)では、 札幌における地表オゾンの日変化が季節によって異なっており、 秋から春にかけて日の出直後の地表オゾン濃度が減少している様子が示された。 この要因のひとつとして、臭素によるオゾン破壊の可能性を示唆している。 しかし、オゾンはNOx(特に一酸化窒素NO)の量と日射の有無により大きく増減しうるため、 日の出前後の地表オゾン濃度の減少をNOx量と日射量との 定量的な関係だけで十分に説明できる可能性もある。 そこで本研究では、観測データの解析と大気質モデル CMAQ(Community Multi-scale Air Quality model)を用いた数値実験によって、 石狩平野における日変化の季節による違いと 日の出前後の地表オゾン濃度減少の要因を明らかにする。 観測データの解析から以下のことが分かった。 オゾン前駆物質であるNOxとNMHCの濃度の日変化の様子を季節ごとに見ると、 値に違いはあるが、ピークをむかえる時刻(午前8時)に季節変化はない。 このピークは通勤等の人間活動によるものと考えられる。 また、午前8時の日射量は大きい季節変化を示し、 冬と夏とでは約10倍異なる。(1月:0.12[MJ/m2]、7月:1.007[MJ/m2]) これらのことから、 秋から春における日の出前後の地表オゾン濃度の減少は、 人間活動の始まる時刻に日射量が少ないため、 排出されたNOがオゾンを減少させる方向に働く、という過程で主として説明できる可能性がある。 今後は、数値実験によって、石狩平野における地表オゾン濃度の 日変化の季節による違いと日の出前後の地表オゾン濃度の減少が、 人間活動によるNOの排出量と日射量の季節変化で説明できるか調べる方針だが、 今回の発表では使用するモデルであるCMAQの概要について説明する。
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