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第 184 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2006年 10月 30日(月) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 A棟 講堂
発表者:山本彬友 (大気海洋物理学・気候力学コース M2)
題 目:メタンハイドレート崩壊に伴う大気へのメタン放出割合の考察
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メタンハイドレート崩壊に伴う大気へのメタン放出割合の考察 (山本彬友) 発表要旨 :
全球平均したδ13Cの顕著な負の偏差は、いくつかの過去に起こった突然の環境変化を特徴 付けている。約5500万年前の暁新世・始新世最高温期(PETM)における1万年以上続いたδ13Cの 2.5%以上の低下は、莫大な量の12Cが急に大気-海洋リザーバーに加わったことを示している。 その原因として、莫大な量(11×10^18gC)と低い炭素同位体組成(δ13C=-60‰)を持つメタン ハイドレートが崩壊したと考えられている。 しかし、メタンハイドレートが海底で崩壊した後、メタンが大気リザーバーに入るか海洋 リザーバーに入るかでその影響が大きく異なるが、CO2の約20倍もの温室効果を持つCH4がどの 程度大気リザーバーに加わったかはほとんど研究されていない。 一方で近年、メタンハイドレート層の上でメタンプルームが数多く見つかり音響探査によって 泡の性質が観測されている。また、McGinnis et al(in press)は泡の基礎物理過程と、観測から 得られた泡の性質を組み込んだモデルを用いて観測されたメタンプルームの再現を行った。 そこで本研究は泡の発達過程を決めるLeifer and Patro(2002)のモデルに、McGinnis et al(in press) のモデルで考慮された泡の性質を加えて泡の発達過程を決め、メタンハイドレート崩壊 場の海水メタン濃度を決めるモデルを作る。そしてこのモデルを用いてPETMで崩壊したと言われ ている1500〜3000GtCのCH4が理想的な海洋場においてどの程度大気に出たかを見積り、考察する 予定である。 今回の発表では現在のモデルの結果と今後の方針を話す予定です。
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