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第 176 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ

日 時:2005年 10月 31日(月) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 2階 講堂

発表者:石丸 和樹 (気候モデリング講座 M2)
題 目:日本の月別気温、月別降水量のEOF解析〜大気場、海面水温場との関係〜

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日本の月別気温、月別降水量のEOF解析〜大気場、海面水温場との関係〜 (石丸 和樹) 発表要旨 :

  
 近年、異常気象が多発しており、2003年の冷夏、2004年猛暑は記憶に新しいで 
 あろう。今年日本海側を襲った集中豪雨もまた、人々の生活に大きな影響を及 
 ぼした。このような気象災害を軽減するために、数ヵ月前からの異常気象の予 
 測が求められている。現在、気象庁が実施している1ヶ月予報にはアジアジェッ 
 トに捕捉されて伝播してくるロスビー波が重要な大気現象の1つとされている。 
  
  夏季の日本には以下の3つのパターンが影響すると言われている。 
 Nitta(1987)は、夏季にPacific Japan(PJ)パターンと言われるフィリピン近 
 海の対流活動がロスビー波を励起し、盛夏の日本の気候に影響を及ぼす事を示 
 した。Enomoto et al.(2003)は、中東付近からのロスビー波の伝播パターン 
 (シルクロードパターン)が暑夏の原因である事を示した。Nakamura and 
 Fukamachi(2004)では、5月と7月でオホーツク海高気圧の出来方が違うことを 
 明らかにし、5月は移動性擾乱、7月はロスビー波が北極海沿岸を伝播するパター 
 ンであることを示した。Wakabayashi and Kawamura(2004)はこれら3つの伝播 
 パターンを抽出、解析し、日本の気温との相関解析を行い、地域的、月別に気 
 温への影響が違う事を報告した。しかし、日本の気温、降水量から大気場の変 
 動を考察した研究は少ない。 
  
  そこで本研究の目的は、日本の気温、降水量が月別にどのような大気場、海 
 面水温場の影響を受けるかを調べることである。本研究では、日本の53地上観 
 測地点の月平均のトレンドを引いた気温と降水量のEOF解析を行い、その主成 
 分と大気場、海面水温場との相関、回帰分析をすることで、大気場、海面水温 
 場がどのような変動をするかを調べ解析を行っている。その結果を今回の発表 
 で示す。 
  

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連絡先

古関 @北海道大学大学院環境科学院
地球圏科学専攻 / 大気海洋物理学・気候力学コース
mail-to:k-shunya@ees.hokudai.ac.jp / Tel: 011-706-2372